レポート

運用テクノロジーで持続性を高める
 中部国際空港旅客ターミナルビル

大勢の人が集合・離散・通過する大空間では、
光と水などの環境要素を積極的に取り入れ、
これを生かす最新技術を駆使した
運用のテクノロジーにも着目する必要があります。

実際の使われ方に対応した
施設や設備の運転管理、
年間を通したエネルギー管理など、
計画・実行・検証・改善という
持続させる仕組みが求められます。

旅客ターミナルビルでは、6つのキーワード「光、熱、水、緑、風、資源」をテーマに最新技術を導入し、「太陽に恵まれた空港」「省エネルギーな空港」「水を循環利用する空港」「緑の中の空港」「風を活かした空港」「廃棄物の少ない空港」を実現しました。
運用では、島内全域をBACnetという機器の種類を問わない共通の信号で統合した設備集中管理システムを構築し、最適な運転制御、綿密なエネルギー管理および計画的な施設管理をしています。
時々刻々と変動する旅客の動きを捉える混雑度センサーにより、最適な運転を行う空調制御システム、冷水循環水量を半減させる大温度差方式などを導入し、環境シミュレーション、省エネ運転計画立案、環境実測などを行い、持続性のある「エコエアポート」を目指しています。

池澤広和

「光」太陽光発電
センターピア屋上に1440枚、240KW相当の太陽光パネルを設置し、航空機動力設備を始めとする建物内の電力設備に電力を供給している。

「光」自然採光
奥行きの深い本館は、屋根にガラストップライトを設置することで省エネルギーと開放性を両立。

「光・熱」トップライト
大屋根トラスと折紙をイメージしてデザインしたトップライトを各所に設置。パンチングパネルで光の拡散と熱を遮蔽。

「熱」混雑度センサー
在室人員が季節、時間毎に大きく変動する空港施設では外気量を制御することが有効である。ゲートラウンジでは2つのカメラを用いたセンサーで空調機の外気ダンパを制御。

「緑」屋内緑化
センターピアガーデン中心の屋内緑化(シマトネリコ、
とハワイアンバンブー)は、空間の演出と人への安ら
ぎを与える。

「資源」洗浄可能型フィルター
5回洗浄可能なフィルターで、空調フィルターの維持管理費の削減と島内からの廃棄物を低減。

「資源」航空機動力設備
電力、空調用熱を建物側から供給し、駐機中の航空機の補助エンジンAPUの運転を廃止。420V電源とー2℃の冷風を航空機に供給。

「熱」Low-Eガラスと外部庇
壁・天井がガラスの4階店舗でLow-Eガラスと外部庇による光と熱の遮蔽をデザイン。外部庇は、ガラス清掃時の足場としても利用。

「緑」屋外植栽
本館南側の松を主とした緑のランドスケープの中に四季の草花と、地域の人々から寄贈された浸透性のある「開港記念プレート」を敷設。

「熱」メカニカルランタン
大空間に、空調・照明・放送・サインなどの機能を一体化した設備の複合ユニットを配置。空調は混雑度センサーによる外気量制御採用の回転吹出しによる「そよぎ空調」とし、省エネルギーな居住域空調を実現。

6つのキーワード

光:昼光センサーによる照明点滅、240kwの太陽光発電、大空間トップライトの自然採光.。

熱:Low-eガラスによる高断熱、外部ルーバーによる日射遮蔽、メカニカルランタンによる居住域空調。

水:中水利用システム、雨水利用システムの導入。

緑:屋内外の緑化による来港者への潤いと安らぎの提供。

風:空調余剰排気の再利用システム、回転する吹出「そよぎ空調」による快適性の向上。

資源:洗浄可能型空調フィルターの採用、航空機動力設備の完備による駐機中の航空機補助エンジン運転停止。

¶:写真撮影:エスエス名古屋/下部(左上のみ)スタジオムライ(村井修)

*出典は環境親話2006 まちから建築へ 日建設計— FACT-NIKKEN SEKKEI こちら(PDF1.13MB)

(I-J-001)/(O-O-001)

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