Project Management in FocusApril, 2007
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50FACT NIKKEN SEKKEI    プロジェクトマネジメントの現場 日建設計用語集 Glossary本号のテーマをわかりやすく、ご理解いただけるように、用語解説を作成しました。マネジメント用語以外にも、不動産・建築業界でよく使う言葉も収録、解説しています。アセットマネジメント投資家から資産運用を委託され経済的価値の向上を目指す業務。新規取得、処分、投資資金の調達なども業務に含まれることが多い。扱う資産は、不動産・金融など多岐にわたる。エネルギーマネジメント省エネルギー対策に関する開発やシステム構築に関わるマネジメント。クライシスマネジメント自然災害や人災の物理的危機から人・物の安全を確保するための具体的な危機管理・施策を講じること。手順としては第一に現状把握、次に危機項目の抽出、発生確率・影響の分析、優先順位付け、対策の立案・実行となる。クリティカルパスプロジェクトの開始から終了までをつなぐ時間的余裕のない一連の作業経路のこと。クリティカルパス上の作業が遅延すると全体の納期を遅らせてしまうことになり、逆に短縮できるとプロジェクト期間も短縮できるため、プロジェクト管理においては特に重要な管理対象となる。クリティカルポイントプロジェクトの方向を左右する要件。コストオン発注者、元請、下請の三者間で下請の工事請負金額と元請の管理経費を決めた上で、契約を結ぶ方式。一種の「コスト+フィー方式」であり、従来の総額請負方式において曖昧であった元請の利益を省き、実費や手数料を明確にした上で契約を結ぶ。コミッショニング建物やその設備の性能検証のこと。要求性能実現のために設計者や工事施工者などに対する助言・査閲・確認をし、文書化を行い、機能性能試験を実施して、受け渡されるシステムの適正な運転保守が可能な状態であることを検証する。また、運用段階でも設備の運転状況やエネルギーの使用状況を確認し、最適な設定と運転方法に対する助言を行う。コンストラクションマネジメント特定の建設プロジェクトにおける企画・設計・発注・工事の各段階において、発注者の代理人として、技術的中立性を保ちつつ、品質・工程・コストのコントロールを行う。特にプロジェクトリスクのコントロールとアカウンタビリティが強く求められる。コンティジェンシー不確定性。不測の事態。主には、予備費的な意味合いで使用される。スコーププロジェクトの成果物やサービスの品質・特徴などの目標。DCF法将来の予測キャッシュフローを割引率(ディスカウントレート)で割り引くことで、現在価値を求める方法。トラックレコード工事の変更や金額の変更などの履歴。BEMS Building Energy Management System室内環境とエネルギー性能の最適化を図るためのビル管理システム。ビルにおける空調・衛生設備、電気・照明設備、防災設備、セキュリティ設備等を対象とし、各種センサー、メーターにより室内環境や設備の状況をモニタリングし、運転管理、自動制御を行う。BCMBusiness Continuity Management (事業継続管理)火災・テロなど局所的な災害、または地震・感染症など広域的な災害といった不測の事態が発生した場合にも、企業活動・サービスを継続もしくは早期回復するために必要な事業継続計画を策定し、実践・管理する手法。中長期的に顧客の信頼を獲得するという戦略的発想に基づくマネジメントである。PDCAサイクル Plan-do-check-action cycle計画(plan)、実行(do)、評価(check)、改善(act)のプロセスを順に実施していくこと。この一連のプロセスを次の計画に反映させ、品質の維持・向上および継続的な業務改善活動を推進するマネジメント手法。不動産の証券化不動産を取得・保有するための器(SPC)を利用し、その不動産を裏づけに投資家から資金調達を行う仕組みを「流動化」と言い、証券を発行する場合を「証券化」と言う。不動産投資信託・私募ファンドなどが代表的。不動産のデューデリジェンス不動産取引の交渉力、取得後のリスクマネジメントの一環として、その収益性に影響を与える事項を精査すること。物的状況調査、法的調査、経済的状況調査が含まれ、各専門家による第三者意見が聴取される。物的状況調査に関わる専門家意見として「エンジニアリングレポート」が作成される。ブリーフィングプロジェクトを始める前に発注者の意図を明確にし、設計者や施工者に伝えるための条件書を作成するプロセス。どのような目的で、どのような建物を作るのか、制約条件や要求事項を整理する。プロパティマネジメント投資家、建物保有者、アセットマネージャーなどからの委託を受け、現場において総合的な建物管理を行う。業務範囲は契約により様々だが、一般には建物の日常管理・運営業務、リーシングを含むテナント対応業務を行う。分離発注方式発注者が元請、専門工事業者から直接見積りを取り、個別に契約する方式。コスト、品質など全て発注者側からコントロールする。マルチトラック本来の意味の幅を広げて、目的の異なる複数の設計作業を同時進行で進めるという意味で使っている。ライフサイクルマネジメント建物の企画から廃棄までの生涯にわたるライフサイクルコストの最適化を目的とするマネジメント。ストックの有効活用・長寿命化、持続可能な社会、環境保全、ユーザーサービスの充実などもマネジメントの重要な課題である。REIT リート Real Estate Investment Trust (不動産投資信託)投資家から集めた資金でオフィスビルや商業施設などの不動産を購入し、その賃貸収入や売却益を投資家に配当として支払う投資信託のこと。リスクマネジメント損失に変えてしまう恐れのある不確実性(リスク)を分析、発見、評価し、回避、低減を図るプロセス。不測の損害を最小の費用で効果的に処理するための経営管理手法である。ロードマップ進行表。工程表。デザインや設計、専門技術の検討、行政との調整や手続きなど各工程の進行手順を定めたもの。参考文献:『IT情報マネジメント用語事典』、『現代用語の基礎知識』、『空気調和・衛生工学会』、『CMガイドブック』、『最新5年間のFMキーワード』、『プロジェクトマネジメント』東洋経済新聞社

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