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MAPWATER役場の損壊・倒壊の恐れ防災用品セット、防災備蓄リストなど、防災に関するグッズや本は数多く存在します。ただ実際に災害が起こったとき、「自分」や「家族」・「身近な人」が何を本当に必要とするのか、すぐに思い出すことができるでしょうか。家族の特徴、起こった季節・時間・場所によって必要勤務歴30年の会社員。妻、娘と賃貸マンションに居住している。会社にいるときに被災。家族との連絡、避難生活中の情報収集、仕事再なものは異なります。一次避難時持ち出し品と、その後の生活に分けて用意することも有用です。阿蘇山小規模噴火開のための連絡に追われた。塀が崩れた…一次避難で客を誘導しながら一次避難で客を誘導しながら阿蘇神社 車に乗れない…歩いて小学校へ歩いて小学校へ災害時には、テレビやインターネットが利用できない、新聞が届かない、電話がつながらない、いざという時、家族や職場と連絡を取り合う方法、避難生活に必要な情報を得る方法を確認し、といった状況になることが十分あり得ます。不安な時間を過ごすことのないよう、普段からみんなで共有しておくことが大切です。朝方に自衛隊    到着…あればよかった安否貼り紙あればよかった安否貼り紙〔安否の周知〕効率的な救助と二次災害の防止を図るため、貼紙などにより周囲に無事を知らせることが有効と言われています。玄関扉裏に「無事」貼紙を備え、避難時に表示するとよいかもしれません。熊本城 無事ですか?上着を貸して土砂崩れ役場も被災して頂けませんか!いるから情報がない…〔ご近所とのコミュニケーション〕〔情報の収集〕役場等が被災する可能性も考え、ここご近所とのつながりは、災害時もだけにはアナログの情報が集まるとい大きな助けとなります。う公民館や掲示板を選定し、町内会・地域住民等と共有しておくとよいかも。一人では解決できないことも、周りの人と助け合うことで解決できることがあります。 櫓の崩落・通勤経路・通学路では、普段から落下物の恐れがなく、〔日頃の準備〕 避難できそうな場所を地図で調べておきましょう。・公共の交通機関が止まった場合に備え、 徒歩での帰宅訓練・安全ルートの事前確認を しておくと安心です。 (最短ルートだけでなく、 複数ルートを確認しておくとよいでしょう。)  86 72016年(平成28年)4月14日21時26分、熊本県熊本地方を震央とする、気象庁マグニチュード (Mj) 6.5の 地震<前震> が発生。 7.3の 地震<本震> が発生し、熊本県では、これまで経験したことのないような大きな災害に見舞われました。その28時間後の4月16日1時25分にMj押入の奥で取り出せない… 職場近くの広場に逃げたってことだけ家族に伝えたいなぁ…。わぁ!!! 大きな 揺れだ! 崩落阿蘇大橋 応急危険度判定って?空港機能の停止裸足やサンダルは危険!災害時にいつでもはけるように運動靴の準備を懐中電灯は携帯でも代替可だが、電池の消耗が怖かった店舗被害による臨時休業避難時に足もとすらよく見えないので危険を感じた。その後メガネは再入手できるまで時間がかかり、大変困った継続する揺れなどによる建物の倒壊の危険性などを判定し、人命にかかわる二次的被害が生じることを防止するために注意喚起するものです。・建築の専門家が確認します。申請等は不要。・調査完了後は、赤・黄・緑の判定書が建物に・「り災証明」のための調査とは異なります。 貼られます。応急危険度判定の判定書違うので、調査済要注意です!この建物の「り災り災証明のため証明書」発行に係る調査は 月 日の建物調査に完了しています。地域によっては夏でも夜は冷え込む。最低限の防寒着を考えておこうビルの亀裂・一部破損・倒壊 回送列車脱線九州新幹線 大丈夫ですか!?(逃げたのかな?)転んだ時に腕を捻ってしまいました… 皆さん大丈夫ですか!救急箱があったので看護師と救急箱があったので看護師と一緒に皆に声をかけて回る一緒に皆に声をかけて回るご近所で一人暮らしのご近所で一人暮らしのおばあちゃんが心配…おばあちゃんが心配…〔自助・共助・公助〕役場や消防団の助けを待つだけではなく、自分達で助け合う行動が重要。防災士資格取得、救急救命・AED講習参加など、有事に備えて、大切な誰かのために、技術を身に着ける機会も活用しましょう!とにかく家から出てください!!見たことのない〔地震発生〕紙が貼ってある!まずは逃げることで精一杯。防災グッズは一次避難時に最低・LINE・ツイッターなどSNSの活用限必要なものを明確にして、す・災害用伝言ダイヤル「171」ぐに持ち出せる場所に準備して・遠方の親戚宅に電話・伝言おきましょう。・家に貼り紙をしておく・安全確保後の待合せ場所を決めておく・家族の携帯番号は「手書き」メモで!・公衆電話の場所を確認しておく・行政等の掲示板には「自分の安否・居場所」 を知らせる          など・・寒い寒い〔社会活動の復旧までのステップ〕なぁ…なぁ…スムーズな社会活動の復旧に向け、非常時の連絡網や業務活動体制などの家屋倒壊・損壊〔非常時での対応〕仕事継続対策(BCP対策)を検討し、車が使えない、避難所までの道備えておくことが望まれます。初動期・仮復旧期・本復旧期などが行き止まりになるなど、非常ステップごとに検討しておくこと時には想定外のことが起こるため、臨機応変なも大切です。対応が望まれます。勤務歴3年のゲストハウス従業員。ゲストハウスに寝泊まりしている。自分だけでなく、宿泊客を誘導しながら避難した。ご近所や地域の方々との連携をとりながら、地震当日を過ごした。 拝殿等損壊連絡網があって良かったね!避難所の掲示板は誰にでも見れるから一番情報が手に入る!小学校にて、毛布配布小学校にて、毛布配布建物の被害の状態(全壊・半壊・一部損壊等)を証明するものです。震災直後だけではなく、随時定めブルーシートられる生活再建のための様々な公的支援の手続きの外で過ごす時間が長く、有用だった際にも必要となる大切な証明書です。簡易トイレ・手続きの詳細は各役所のHPや役場の担当者へ。・第三者の申請もOK。水が流せず困った。→ビニール袋と新聞・被災した事実を証明する「被災証明」とは紙でも簡単に作れる 異なります。ウェットティッシュ手が洗えず、飲食時にも不安だった高速道路に架かる橋落下ガスコンロ調理・加熱殺菌・暖もとれる!火災に注意水・米・洗剤ストック量を意識的に増やしていて助かったラップ水が貴重なので食器にかぶせて使用し、使い捨てできたリュックサック移動中に両手が使えるので安全。被災後はいつも枕元に置いている防災用品は、時間ごと、家族ごと、地域ごとに差があり、様々です。「我が家にはこれだけはないと困る」というものをリストアップすることから始めましょう。また、防災グッズは家族構成に照らし、1~2年ごとに見直しが必要です。必要なものを書き出して、整理してみよう!・生理的に必要なもの(例) …食べ物、水、空気(マスク) 、衛生用品(簡易トイレ、オムツ、生理用品)etc.・健康と安全の確保に必要なもの(例)…めがね、雨具、防寒具、常備薬、懐中電灯、ロウソク etc.・副次的に必要なもの(例)…通信手段(携帯電話)、医薬・救急用品、お金、電気(充電器・電池)、移動手段 etc.・必要な情報(例)… 周辺の避難場所の確認、病院・公的機関の連絡先、応急手当方法、家族の安否確認方法 etc.飲料水だけでも、4人で3日間暮らすには1ケース必要と言われて9います。(※目安は 飲料用1L/日・人  生活用3L/日・人)息子は高校生なのに非常用持出し袋にはオムツがたくさん入っていた…    という声も上からの落下物、多くの人の集中…ヘルメットなどの備えも必要です14まちづくりや建築の専門知識を支援に活かす避難グッズを抱えたくまモンが表紙の『熊本地震の体験談から学ぶ 防災ヒントブック』は、手に取りやすいA5サイズ・16ページのミニ冊子。熊本地震で被災された方々の体験談を、マンガを使って4つの視点でまとめたものです。 2016年10月29日、熊本地震からの復興イベント「オールクマモト GACHI スペシャル in 熊本城」で3,000部配布したのを皮切りに、さまざまなイベント、団体や個人の方などへの配布を続け、2016年末には、配布数はトータル4,000部を超えました。 企画・制作は、日建設計の社内クラブ「ボランティア部」です。東日本大震災後に設立されたクラブで、これまで仮設住宅の断熱対策や、「逃げ地図」開発・ワークショップなど、まちづくりや建築の専門知識を活かした支援活動を各地で行ってきました。─模索のなかから生まれた『防災ヒントブック』日建設計では、2016年4月の熊本地震発生直後から、九州事務所が中心となって現地支援や現地調査を行ってきました。ボランティア部も震災1カ月後から熊本や大分を訪問し、被災された方に直接ヒアリングを行い、何が本当に必要とされているのかを模索しました。どういうアウトプットとするか、最初から分かっていたわけではありません。現地でお話を聞くうちに、「被災後何に困りどう行動したのか」ということを中心にまとめ、今後の防災や避難生活のヒントとなるような情報発信をしよう、という結論に至りました。 文章・挿絵・編集なども、すべてボランティア部のメンバーで行っています。マンガを使ったのは、誰にとっても分かりやすく興味をもってもらえるのではという期待に加え、ストーリー性をもたせることで共感を呼び、より自分ごととして防災を考えてほしかったからです。─Urban Planning and Architectural Expertise to the Rescue Disaster Preparedness Hint Book: What We Can Learn from Accounts of the Kumamoto Earthquake is an easy-to-read, 16-page, A5-size booklet with the Kumamoto prefecture mascot, “Kumamon,” holding emergency supplies on the cover. It summarizes accounts of Kumamoto Earthquake survivors using a manga format, organized from four different perspectives. organizations and individuals, including 3,000 handed out on October 29, 2016 at the “All Kumamoto Gachi Special at Kumamoto Castle,” a quake recovery event. company club, the Volunteer Team, which was established following the Tohoku Earthquake of 2011. Its activities include working on heat insulation measures for temporary housing, Over 4,000 copies of the booklet have been distributed to The booklet was planned and produced by Nikken Sekkei’s development of / workshops for “Run and Escape Map,” and other activities to support disaster-struck communities using expertise in urban planning and architecture.–Product of Search for a Way to HelpIn April 2016, immediately after the Kumamoto Earthquake, Nikken Sekkei, via its Kyushu branch office, extended support to the disaster-affected areas and conducted on-site research. The Volunteer Team visited Kumamoto and Oita starting one month after the quake and began interviewing disaster victims to find out what they actually needed. The team had not decided what it would do from the outset, but as the members listened to the victims’ stories, they decided to gather information about “problems encountered and solutions found after the disaster” and publish the findings to help with 『熊本地震の体験談から学ぶ 防災ヒントブック』 日建設計ボランティア部の活動Compiling the Experiences of the Kumamoto EarthquakeNikken Sekkei Volunteer Team Activities

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