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[ダイジェスト│Digest] NSRIフォーラム NSRI ForumThe NSRI Forum is an open forum hosted by Nikken Sekkei Research Institute, at which invited specialists discuss a wide range of topics.http://www.nikken-ri.com/forum/ [ダイジェスト│Digest] NSRIフォーラム NSRI ForumThe NSRI Forum is an open forum hosted by Nikken Sekkei Research Institute, at which invited specialists discuss a wide range of topics.http://www.nikken-ri.com/forum/ [講師]佐々木邦暢NVIDIA エンタープライズマーケティング本部 シニアマネージャーSpeaker: Kuninobu SasakiSenior Manager for HPC/DL/Cloud, Japan Enterprise Marcketing, NVIDIA [ファシリテーター] 吉田 哲日建設計 3DC・DDL・CGスタジオ 室長Facilitator: Tetsu YoshidaGeneral Manager, Digital Design Development Section, Digital Design Lab, CG Studio, Nikken Sekkei昨今、AI・ディープラーニングなどの新たなテクノロジーを使ったビジネス展開が、さまざまな分野で検討されています。しかし、どのようにビジネスに取り入れるのか、明快なイメージを抱けない方も多いのではないでしょうか。今回のフォーラムでは、AIを支えるGPU(グラフィック・プロセッシング・ユニット)の世界的メーカーであるNVIDIAの佐々木邦暢氏をお迎えし、AIの実用化を牽引してきた技術と最新事例についてお話しいただきました。Companies in many different fields are considering ways to develop their businesses using AI, deep learn-ing, and other new technologies. Many of us, however, may not have a clear idea as to how these technologies might relate to our enterprises. The Forum asked Mr. Kuninobu Sasaki of NVIDIA, a global manufacturer of the GPU (graphic processing units) that support AI, to discuss the technology driving practical uses of AI and the latest applications. 第58回2018年3月19日58th Meeting, March 19, 2018AI・ディープラーニングの最新技術と自動運転などへの取り組みThe Latest Technology for AI and Deep Learning: Autonomous Vehicle Development and Other InitiativesGPUが拡げるAIの領域AIを実現するための機械学習法として、ディープラーニングの有効性が注目されています。そのディープラーニングを支えるハードウェアがGPUです。もとは画像処理のために開発されたGPUの計算能力は、グラフィック方面では仮想現実を創り出すところまできました。この計算能力とAI・ディープラーニングの研究が出会い、多様な分野で活用されるようになったのです。代表例をいくつか挙げます。 まずAI活用の中でも注目される医療分野。80種類の病気予測を高い精度で行うAIが開発されています。気象観測の分野でも、膨大な衛星画像を繰り返し学習させ、温暖化現象やCO2の影響を画像ベースで高精度に判断することができるようになりました。サイバーセキュリティの世界では、コンピュータウイルスの亜種も含めて検出できるアンチウイルスソフトに使われています。またコールセンターでは、通話記録をテキストに変換し、問い合わせの対象製品はもちろん、口調から話者の感情も判別する音声認識にも活用されています。 汎化性能が高いAIは、学習するうちに状況に合わせた判断ができるようになります。データを増やし、人が出した答えと同じ結果になるようモデルを鍛えることで精度が上がります。エッジコンピューティングと自動運転ネットワークで機能を共有するクラウドコンピューティングに対して、小さなコンピュータを個別の機器に搭載することをエッジコンピューティングと言います。私たちもクレジットカードサイズのGPU搭載コンピュータを開発しました。小さなGPUはドローンでの活用が多いほか、画像認識で目の不自由な方の歩行をサポートするメガネ型デバイスに搭載されるなど、身近な生活をより良く変えていく可能性を秘めています。 車の自動運転にもエッジコンピューティングが必要です。私たちは自動運転のために、ディープラーニングを使った3種のソフトを開発しました。現場の画像判断と地図情報を組み合わせ、危険を避けつつ正確な自動運転を実現する「Drive AV」。視線や動きなど運転者の状態を画像認識し、居眠り運転を警告するなど、運転の快適性・安全性を高める「Drive IX」。自転車をはじめとする危険要素をバックミラー内で強調して映し出すなど、拡張現実を利用した「Drive AR」です。ドライバーの補助から無人運転まで、さまざまなレベルでの自動運転を小さなコンピュータが支えています。 今後、さらにさまざまな分野・用途で、ディープラーニングによるAIの可能性が広がることと思います。362018 SUMMER35FORUM

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