Public Space(抜粋版)
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もあるのではと思っています。デザインの力が大きいのではないかと思います。単純な話ですが、気持ちのいい空間で悪いことをしようと思う人がいるかどうかということかと。そういう部分でデザインの力は結構あるかと思います。また、優秀なデザイナーが行政側にいるということも大きいと思います。彼らは実際にデザインはしないのですが、デザイナーとして、力のある設計者にパブリックスペースのデザインをさせることの価値を的確に理解しているのです。 ロンドンは監視カメラがたくさん設置されていることで有名ですが、パブリックスペースにゲートを作って金属探知機を付けるかというとそうはならないような気がしています。そうなった瞬間、ロンドンの人たちはパブリックスペースに価値を見出さないようになると思います。パブリックスペースの議論はまだ欧米主導です。日本でパブリックスペースと言ったときに、欧米で言われているものとは少し違うのではないかと考えています。よって、日本のパブリックスペースの可能性を発信することができないでしょうか。例えば、日本版パブリックビューイングの在り方を発信する。昭和の時代に、力道山の試合を街頭で見ていたような、隙間的な場所でパブリックビューイングは可能だとか。日本がリードしているテクノロジーと空間を結びつけ、新しいパブリックビューイングの姿を見せることができたら、日本的なパブリックスペースの良さが伝えられるのではないかと思います。-- ロンドンのパブリックスペースには禁止事項看板が立っている様子はあまり見られないように思います。パブリックスペースの使い方にマナーのコンセンサスがあるのでしょうか。建築家、H2Rアーキテクツ共同主宰。滋賀県立大学准教授、明治大学兼任講師、東洋大学非常勤講師。白井 宏昌氏-- 2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催をきっかけに、東京のパブリックスペースではどのようなことができるでしょうか。13

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