WORKカテゴリビジュアル

HIGHLIGHTS

01

キユーピー株式会社:仙川キユーポート

新しい社屋の設計は、新しい働きかたの設計でした。

設計部門 部長 佐藤 健

「課題解決の方法は、いつもクライアントの声の中にあります。」設計担当者の佐藤は話し始める。キユーピー仙川工場(東京都調布市)の跡地利用プロジェクトである『仙川キユーポート』。その設計の前には、約3年にわたるワークショップの積み重ねがあった。そこには限界まで施主と思いを重ねていく、設計者としての思いがある。

ここで働く、“みんなで使うもの”だから

クライアントであるキユーピー社には、とにかくいろいろな人たちにプロジェクトチームへ参画していただきたいとお伝えしました。たくさんのアイデアもさることながら、みなさまの仕事への熱い思いや誇りをお聞かせいただきたかったのです。また、社員のおよそ半分が女性であることも大切に考えました。各自のロッカー、パウダールームの使い方、ブーツの置き方に至るまで検討を重ねていくためです。

私たちはこのプロジェクトを通して、みなさまに「新しい自分の居場所」をデザインしていただきたいと思っていました。

設計とは、課題を紐解き、結い直すこと

仙川工場跡地には、グループ会社が一同に集う新社屋を建てることが決まりました。それは、会社や事業部などの壁を超えたコミュニケーションを実現するということでもあります。課題を見つけ、紐解き、クライアントに合わせた解決方法をご提案する。それが私たち設計者の仕事だと、あらためて感じました。

私たちは広い視野を確保し常にお互いが見える“三角形オフィス構成”と、グループシナジーを最大限に発揮するために研究所階とオフィス階を交互に重ねる“ミルフィーユ構造”をご提案しました。グループで働くみなさまに必ずや新しい効果を生み出すに違いないと考えていました。

そして、会議室の削減へ

私たちは次第に、コミュニケーション活性化のために会議室に籠もりがちなワークスタイルを大きく転換するご提案をするべきではないかと考えるようになりました。会議室を削減しましょう、オープンな打合せ場所をたくさん創りましょう、ランチタイム以外は食堂も利用しましょう、さらには各自のデスクを固定しないフリーアドレスを導入しましょう、ということまでご提案しました。

プロジェクトチームがまとめた社員のみなさまへのアンケート調査からも、新しい働きかたが始まっていることが伺えます。働く方々に実感をもっていただけたということは、設計に携われた者として最高の喜びです。

実はキユーピー社と私は先代会長の中島雄一氏の時代からお付き合いをいただいています。当時から、企業理念の「楽業偕悦」(志を同じくする人と業を楽しみ、悦びをともにする)という社風をお持ちです。この素晴らしい社風を、次代を担う方々へ継承していくお手伝いができたことを幸せに感じたプロジェクトでした。
[写真:下:新写真工房(堀内広治)]