Amity with Environment 2006 From Town to Building March, 2006
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庭園計画では、敷地内に生育していた大径木を残して、庭園の主要要素として新たな庭に組み込み、低く押さえた屋根越しに望む周辺の緑と連携して、敷地内にもアカマツを植え、敷地外の緑の借景要素との一体化を図った。極限まで細い材料を用いるという姿勢が簡潔で清楚な美しさを作り出す。The approach of using the slimmest possible material elementscreates a simple and clean beauty.Using natural materials such as wood, tile and paper, which have a longhistory of use, and such as the stoneand timber that has been a lasting partof the local land, creates anenvironment in which it is easy tomaintain both the long life of thebuilding and the health of its occupants.Building / Retaining natural materials先人の価値観を豊かに継ぐ京都迎賓館我が国の建築は長い間、「木・草・土」だけで作られてきました。日本建築の空間構成は簡潔で、柱は屋根を支えるため、必要な材料で最大の効果が得られるよう工夫され、建具も美しさを求めながら極限まで細い材料を用いるという姿勢が、簡潔で清楚な美しさを作り出してきました。この建物では、現在の技術・材料を積極的に使いながら、造形を誇張することなく、限られた材料で、引き手や釘隠しに至るまで細心の注意を払って全体との調和を図る、という先人が備えた価値観を具現化して、日本の控えめな美意識を表現しました。佐藤義信古くから使われてきた木材・瓦・紙などの自然材料やその土地で長年培われてきた石材や木材などの自然素材を用いることで、建物は永く使われ、人々の健康も維持しやすい環境が得られます。建築/自然の素材を生かす40環境親話2006まちから建築へ 日建設計―FACT-NIKKEN SEKKEI

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