FUTURE LENS ANNUAL REPORT 2025-2026
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28都市と地域、企業とローカル・ゼブラの異なる時間軸や視座を持つ者同士が、どのように共創してきたのか。​日建設計の吉備​友理恵、柄澤​薫冬、そして​Zebras​and​Company​(以下、Z&C)の阿座上陽平の3名で振り返りました。日建設計吉備​友理恵日建設計柄澤​薫冬Zebras​and​Company阿座上​陽平“長期目線”で伴走する、共創型の支援プログラム“長期目線”で伴走する、共創型の支援プログラム——まずは、初年度の手応えや課題感、新たに見えてきた仮説について聞いていきたいと思います。あらためてFUTURE LENSのポイントを教えていただけますか?日建設計・柄澤:このプログラムの特徴を一言で表すなら、「未来の都市と今の地域をつなぐ」取り組みです。少子高齢化や人口減少といった社会課題は、地域のほうが先行しています。地域が今向き合っている課題は、10年後、20年後には都市も同じように向き合うことになる。しかし、その視点を持って都市を開発できているかといえば、残念ながらそうではありません。日建設計も都市開発に集中してきたなかで、地域への理解を深める必要性を感じていました。そこで、地域で課題解決に取り組むローカル・ゼブラと、都市開発の分析や制度提案ができる日建設計が協働することで、50年先の都市を考える視点を得るために始めたのがこのプログラムです。FUTURE LENSは助成金と伴走支援を提供する点で、アクセラレーションプログラムに近いと思われるかもしれません。しかし、その違いは「時間軸」。短期的なリターンを目指すのではなく、建物やインフラを開発する際に100年〜200年先まで想像するかのごとく、超長期目線を持って伴走することが特徴です。日建設計・吉備:都市と地域に長期的な価値をもたらすために、3つほどこだわったポイントがあります。1つ目は共創型・探求型のプログラムであること。日建設計とゼブラ企業の間に上下関係はなく、お互いの強みを生かしながら共創することを強く意識しました。また、各地域での活動においても、初期仮説を設定しつつ、現地の視察や検証をもとに柔軟に変更しています。2つ目は、机上の研究ではなく「実証研究」であることです。提供する助成金を「実証研究費」と呼ぶように、実際にものや場をつくり検証していくことを大切にしています。3つ目は、日建設計の「社会環境デザイン」のノウハウを活かすことです。単に事業の業績を上げるための支援ではなく、日建設計が培ってきた分析手法などを用いて、事業の社会的な価値を可視化し、仕組み化し、社会実装していくことを目的にしています。——投資ではなく助成にしたのはなぜですか?吉備:日建設計には投資の経験がないため、いきなり株を持つことには社内でさまざまな意見がでました。結果、将来的に投資という選択肢も見据えた取り組みにしていくことに。助成でありながら密に伴走することで、投資家と投資先のような一体感を経験できるようにしました。阿座上:そうした日建設計の試行錯誤が感じられるのも、このプロジェクトに関わる醍醐味のひとつだと思います。歴史を見ると、日建設計はユニークな自己変革を遂げてきた会社です。建築の会社から都市をつくる会社へ、そして今は「社会環境デザイン」の会社へと枠組みを広げ、存在意義を捉えなおす営みを繰り返してきました。これは「イノベーションのジレンマ」と「両利きの経営」の「大企業がイノベーションに失敗せずどう乗り越えられるか」という命題を解くことだと言えます。既存事業とイノベーションを両立し、それらを統合するように全体を進化させていく。僕らのような外部のパートナーと組みながら、意図的に変化を生み出そうとする姿勢を持っている大企業は、そう多くありません。将来的には、他の大企業にもFUTURE LENSに参画していただきたいと考えています。そうした企業にとって、日建設計のアップデートを間近で見られることは、意味があることだと思います。また、日建設計の共創社員側にも戸惑いがありました。建築や設計のスキルをそのまま活かすのではなく、プロジェクトのゴールや状況に応じて転換しなければな提供価値や視点のすり合わせに悩みつつ進んだ1年提供価値や視点のすり合わせに悩みつつ進んだ1年——1年の伴走を経て、特に難しいと感じたことはなんですか?柄澤:初動期は、ローカル・ゼブラの皆さんとお互いの役割や提供価値のすり合わせに苦労しました。特に課題があったのは日建設計側です。「社会課題の可視化や、事業価値の定量化をします」と言ってはいたものの、地域に向き合う皆さんにとって、どういう価値があるのかをうまく伝えられなかったんです。実際皆さんから「日建設計に何をしてもらえばいいかわからない」と言われたこともありました。吉備:受託業務では、クライアントが明確な意思やゴールを持っています。しかし今回は、対等な関係の中で何をゴールにするかから一緒につくろうとしたため、難しさがありました。FUTURE LENS初年度を走り抜け感じた課題と手応え、 そして新たに見えた地域課題解決のフレームワーク

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