NIKKEN BIOPHILIC DESIGN BOOK vol.1 JR 熊本駅ビル
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2日本は急峻な山地形とそれぞれが生み出す水循環によりできた豊かな風土のもと、日本独自の自然観が育まれ、自然と共生する暮らしが営まれてきました。京都の坪庭や一輪挿しなど、身近な生活に自然を取り込むことは日本独特の文化でもあるといえます。世界中の都市ではここ数十年の急激な開発により、多くの自然が失われつつあります。一方、2050年には地球の人口の約7割が都市に住むと言われており、都市における自然との共生は非常に重要な課題であるといえます。自然は、人々が健康的に創造的に暮らしていくために必要なエッセンシャルなものです。バイオフィリックデザインは、このような都市にその地域らしい自然の要素を取り込み人々の生活を豊かにする一手法であると考えます。熊本駅ビルでは屋内外においていかに熊本らしい自然を建築に取り込むかにチャレンジし、それらの効果を可視化することを試みました。熊本駅ビルプロジェクトが都市において身近な自然を感じることの重要さを再認識するきっかけとなり、今後多くの都市においてその地域らしい身近な自然が回復していくことを期待しています。はじめに

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