自然とつながるデザインバイオフィリックデザインとは7Creativityバイオフィリアという言葉は、生物学者のEdward O. Wilsonにより広められ、「生命」を意味するギリシア語の「bio」と「愛情」を意味する「philia」に由来しています。「人は自然とのつながりを求める本能的欲求がある」という言葉の通り、その欲求を満たすことで、人々の生産性・創造性・幸福度などが上がるという研究結果が多く報告されています。このような効果をポジティブに捉え、屋内外に関わらず、建築や都市空間のデザインにバイオフィリアを積極的に取り入れWell-beingに寄与するデザインをバイオフィリックデザインと呼んでいます。出典:Human-Spaces:Report Biophilic Global Impact Biophilic Design①約15%健康の水準が高いWellness効果の一例(昼光や植栽が身近にあるオフィス環境で働く人に見られる効果)②約6%生産性が上がるProductivity③約15%創造性が上がる1.序章バイオフィリックデザインがもたらす効果自然が人間に有益な影響を与えるという研究は多く存在します。自然との定期的な触れ合いは、認知能力を回復させ、学習、分析、創造する能力を高める機会を与えてくれます。心理的には、自然環境は感情の回復を助け、不安のレベルを下げ、疲労を軽減し、全体的な気分を向上させることができます。自然に対する生理的な反応としては、筋肉の弛緩、血圧の低下、ストレスホルモンの減少などが挙げられます。こうした効果への期待から、自然と人間の関係が希薄になった都市や建築においてバイオフィリックデザインを積極的に取り込んでいくことが求められているといえます。15%6%15%
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