NIKKEN GREEN INITIATIVE 日本語
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3 INDEX65雨水の浸透通常、無機質になりがちな駐車スペースを景観の一部として捉え、真夏の温熱環境の改善や豪雨時の雨水流出抑制に寄与させています。また、敷地全体の面源負荷量(雨が降った時に流れ出る汚濁物)に対して、レイン ガーデンによる負荷削減率は、COD(有機物を示す水質指標値)、T-N(水中の窒素量を示す水質指標)ともに8%程度、値T-P(水中のリン量を示す水質指標)雨水の浸透は、17%程度と試算されました。敷地の約1/4を占め、面源負荷量の排出率が大きい駐車場(集水面積4,084㎡)に対してレインガーデン(629㎡)を導入することにより、一定程度、雨天時の汚濁物の削減に貢献していると考えられます。雨水の浸透「天草市複合施設ここらす」は、市内3か所に分散していた図書館・保健福祉センター・公民館等の機能を集約し統合された複合施設です。ランドスケープは敷地中央の芝生広場を中心に、土地の歴史や地形を活かしてつくられる回遊園路や弓なりの建築を介しながら、円環状に人々の活動の連鎖が沸き起こる状況を創出します。地歴は雨水の流れや植栽にも活かされます。既存地形にならった ランドフォームで雨水を誘導し、大地への涵養を促すことで豪雨時の雨水流出抑制にもつながる天草の地に根差した湿性の緑地景観を形成します。これらの地形的操作は同時に周囲の自然景観との調和や、園路における豊かな歩行体験の演出、広場における多様な活動の誘発などマルチに機能するパブリックスペースを創出します。2.2 t-CO2 /年敷地の樹木によるCO2の固定駐車場のレインガーデンによる雨水流出抑制と汚濁物の浄化樹木の浄化作用と雨水浸透の誘導による空気と水を浄化するランドスケープ 天草市複合施設ここらす

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