APPENDIX78日本の都市樹木を対象とした研究により、都市樹木の炭素固定量が定量的に明らかになっている[1]。また、建築物に木材を利用することで、長期間(建築物が解体され木材が燃やされるまで)その建築物に炭素が固定されると考えることができる。林野庁からは、この建築物に利用した木材のCO2貯蔵量に関するガイドラインが公開されている[2]。評価方法都市樹木の胸高直径を基にした年間CO2 固定量を算出した[1]。また、林野庁のガイドライン[2]を用いて、建築物に利用した木材の体積から貯蔵しているCO2 量を算出した。評価指標・樹木の年間のCO2固定量・建築に利用した木材のCO2貯蔵量参考文献1.松江 正彦, 長濱 庸介, 飯塚 康雄, 村田 みゆき, 藤原 宣夫, 日本における都市樹木のCO2 固定量算定式, 日本緑化工学会誌, 2009, 35 巻, 2 号, p. 318-324, https://doi.org/10.7211/jjsrt.35.3182.林野庁長官通知. 建築物に利用した木材に係る炭素貯蔵量の表示に関するガイドライン(令和3年10月1日)レインガーデン、人工芝、透水性舗装、雨水浸透管等、主に浸透機能に着目して雨水流出抑制効果を定量的に評価した。評価方法整備に伴う土地利用の改変を含め浸透施設、貯留槽導入による雨水流出量の変化を合理式に基づく収支計算により算定した。なお、雨水浸透施設の浸透能(主にメーカー値)の合計値を明示、レインガーデンの浸透能は文献[1]より芝地・草地の最終浸透能を設定した。評価指標・浸透能(レインガーデン、人工芝、透水性舗装、浸透ます、浸透管)・貯留能用語合理式:洪水流量を求める簡便な式で、小規模な流域の場合に広く用いられる。Q=1/3.6×f×r×Aで求めることができる。Q=流量、f=流出係数、r=時間雨量強度、A=流域面積である。最終浸透能:レインガーデンなどの浸透施設の浸透能は、降雨初期には大きな値となるが、時間の経過とともに徐々に低下していき、一定の値となる。このときの浸透能を最終浸透能という。参考文献1.飯田 晶子, 大和 広明, 林 誠二, 石川 幹子, 神田川上流域における都市緑地の有する雨水浸透機能と内水氾濫抑制効果に関する研究, 都市計画論文集, 2015, 50 巻, 3 号, p. 501-508, https://doi.org/10.11361/journalcpij.50.501生物多様性は世界的な目標である「昆明・モントリオール生物多様性枠組」に対応して、日本でも「生物多様性国家戦略2023-2030」が閣議決定されるなど、国内外で議論が進められている。特に国内では「30by30」と呼ばれる、2030年までに生物多様性の損失を食い止め、回復させるため、陸と海の30%以上を健全な生態系として効果的に保全しようとする目標を設定している。この目標のもと、民間開発においても生物多様性の重要性が高まっている。評価方法現地調査により鳥類、昆虫類等の生物の種構成や個体数等の変化を確認した。あわせて、昆虫類のうちセミ類やコオロギなどは鳴き声なども記録した。評価指標・鳥類・昆虫類の種類定量化の評価方法温室効果ガスの削減雨水流出抑制生物多様性
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