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14512総煉瓦内装でつくる高性能な3つの多目的ホール3層、2,010席の大ホールは、音響反射板まで含めた総煉瓦内装で、壁面に音響庇を設け、客席と舞台への初期反射音が増すように計画しました。また、床・壁・天井の6面を躯体と絶縁させる防振遮音構造を採用して高い静音性を実現し、多目的でありながら音楽コンサートにも十分な性能を有します。天井は、光り輝く星空をイメージし、色温度とサイズの異なる計9種類のビーズを内包した球体状の照明を散りばめ、世界遺産である姫路城が築城された1609年10月の星空配置を再現しています。 中ホールは、演劇を中心とした多目的ホールとして、観やすく臨場感あふれる扇形の客席配置としました。ホール内は3次曲面状にねじって反射音を攪拌する煉瓦内壁により、客席にムラのない均一な音環境をつくっています。同じく防振遮音構造を採用した小ホールは、小コンサートの開催など市民を中心に利用頻度の高いホールで、4方の壁を5度外側に倒すことで、音の攪拌を狙っています。 この温もりある総煉瓦内装の建築が末永く市民に愛され、また大・中・小と性格の異なる3つのホールが、世界中の多様な催事がとり行なわれる文化交流拠点として、その役割を果たしていくことを願っています。

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