メンタルヘルスの課題TRY & TRY12試行錯誤で積み上げるPYNT流「共創」のしくみ概要日本においてメンタルヘルスの課題は個人の課題とされることが多いが、その影響は深刻であり、これに伴う経済的損失は年間約2兆円に上ると推計されている。特に都市部では過密な生活環境や孤立感、ストレスフルな労働条件が、この問題をさらに悪化させている。ステークホルダー• 都市開発の専門家(日建設計)• 内科・心療内科医• 作業療法士• メンタルヘルスに悩む当事者• AIコンサルタント• インテリアデザイナー• 大学教授• デザイナー などオフィスや都市空間こうした背景のもと、PYNTはこの課題に対して、メンタルヘルスの専門家だけでなく、デザイナーやAIの専門家、都市計画の専門家など関心をもつ幅広い立場の有志がアイデアを生み出し、具体的なプロジェクトへとつなげる場を提供している。このプロジェクトでは、メンタルヘルスを取り巻く環境や状態を「課題構造マップ」として可視化し、複雑な要因の相互関係を明らかにした。その中で、特に強い要因である「トラウマ」をキーワードにAIを活用した分析を行い、多角的な観点から都市の在り方や解決策を模索している。こうしたプロセスを通じて、メンタルヘルシーな空間デザインや公共貢献用途としての提案の可能性、さらには組織におけるピアサポートの仕組みといった具体的なアイデアが生まれている。現在、これらのアイデアを実現するための具体的なプロジェクトが検討段階にあり、都市におけるメンタルヘルス課題の解決に向けた新しい視点と方法論を提示しようとしている。どうすれば、都市におけるメンタルヘルス課題のソリューションをデザインできるか?
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