23うえで、適切なおつなぎをすること。さらに、議論を深めるフェーズであるSTEP3、つまり「この人とこの人をつなげたらおもしろいことが起きそうだ」の先の展開を想像することや、既存のプロジェクトにどう関与しうるかを考えながらアクションを取ることを意識しています。PYNT“チーム”が耕し、コミュニティからつなぐバトン横山明日香 コミュニティマネージャー的な役割を置くことは、最初から要件の中に入れていました。でも、私たちがやりたいのは組織を超えて人と人を混ぜ、耕しながらコミュニティの土壌をつくっていくこと。お客様対応ではなくフラットに接することができ、能動的に働きかけながら、信頼関係が築けるような存在を求めていました。吉備友理恵 PYNTを運営する私たち日建設計イノベーションデザインセンター(以下、イノベチーム)のユニークなところは「社内外の実践者をつなぐ、共創プロジェクトの伴走者」が専任していることです。伴走するためにはイノベーションを生むための仕組みや仕掛けが必要ですが、そのなかでもプロジェクトになる前の「コミュニティの土壌をつくる」段階で特に重要な役割をCOチームが担ってくれています。 (石橋)萌さんたちがいることによって、人との出会いの数やコミュニケーションの総量、関係構築の数が圧倒的に増えています。これをきちんと共創活動につなげていくために、COチームとイノベーチームは日々連携しながら動いています。横山 社内のどの人に繋げると良いか、既存のプロジェクトでどこに組み込めそうかという会話をしますね。バトンの受け渡しが雑になるとその後の共創ステップもうまくいかないので、丁寧な情報共有と相談をしながら前に進めています。 この手の情報は、常駐するスタッフの「誰か」に閉じた属人性の高いものになりがち。ですが、PYNTの場合は、役割の違いこそあれどCOもイノベもひとつの「PYNTチーム」として動いていることが強みです。100%全員に共有して理解することは難しいですが、異なる役割が混ざり合うチームだからこそ、多様な発想やネットワークをかけ合わせてつなぐことを意識しています。 また、COチームにはPYNT内のツアーや打ち合わせ、社内外の方が主催するイベントや展示のサポートもお願いしています。他社の所属からPYNTチームとして関わり、その人の見えていなかった側面やより深いところをすくい上げてくれることも、良いコミュニティから実際の活動へと進めていくために大切なことです。吉備 先述の通り、私たちイノベチームはプロジェクト伴走者としての役割も担っています。その時、いかにして社内外の実践者を巻き込んでいけるかが重要であり、その観点から「コミュニティ」と「プロジェクト」が分断されず、いかにシームレスにつないでいけるかを重視しています。 そのために、口頭でのキャッチアップはもちろん、ツールを用いた情報共有も行っています。COチームが今日どんな人とどんな会話をしたか、どんな考え方でどんなことをやりたいと思っているかなどを毎日共有してくれています。そのおかげで、私がPYNTにいけない日が続いても、次にその人と会ったときのコミュニケーションを考えることができるんです。─PYNTの窓口として日頃多くの方々とコミュニケーションを取っているCOチームと、プロジェクト伴走者にもなるイノベチーム。具体的にどのような連携をしているのでしょうか?異なる役割が混ざり合うチームだからこそ、多様な発想やネットワークをかけ合わせてつなぐ
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