PYNT BOOK Vol.1
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5地域のエネルギー循環を実現するにはどうすればいい?空飛ぶクルマで未来のまちはどう変わる? 現代人のメンタルヘルスに関する課題を解決するためにデザインができることは?─。これらは、PYNTで進行しているプロジェクトのほんの一部です。PYNTは、2023年4月に、まちの未来に新しい選択肢をつくる「共創プラットフォーム」としてオープンしました。「社会環境を“共有財”の視点からリデザインする」をパーパスに掲げ、意志を持った課題の当事者や解決の担い手と、日建設計が持つ建築や都市に関する専門性をつないできました。まずはここで出会った人々が小さな活動を始め、少しずつ横断的な「プロジェクト」へと広げるサポートしています。さらに社会実装につなぐ基盤となる活動に押し上げるため、数年以上の長期的な視点を持って、ビジネスや社会課題を解決するムーブメントへとつなげていきます。私たちの活動を一言でいうと、「多様なステークホルダーとともに社会環境デザインに取り組む」ことです。まちと暮らしについて俯瞰的な視野と多様な視点を持ち、複合的に社会課題を解く仕組みを考え、人の暮らしや環境をより良くしていくこと、それを私たちは「社会環境デザイン」と呼んでいます。すなわち、「まちの要素」と「社会の課題」を掛け算しながら、さまざまなステークホルダーを巻き込み、共有・共感できるゴールを創り、複雑な課題をリフレームすることを、PYNTでは考えています。例えば、子育てという個人に閉じてしまいがちな課題を、「公園」と掛け合わせて、まちの視点からとらえてみると、「公園を起点にした送り迎え」や「地域で子どもを見守る仕組み」など、課題解決のアイデアの発想が広がります。また、公園の新しい運営の仕方につなげることができるかもしれません。私たちはこのような仕組みや考え方を持ちながら、組織や立場を超えた出会いから社会実装までをサポートしています。日建設計とPYNTをつなぐ「社会環境デザイン」PYNTが取り組んでいる領域を示した図。日建設計のコア事業で培ってきたスキルや専門性を活かしつつ、新しい業界や専門性との接合点をつくりながら共に都市/まちの課題を解決していくのがPYNTの役割。

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