10年超の継続的な取り組みにより竣工時比25%の省エネを実現二季化にも対応する「次世代型多孔式パネルダクト自然換気システム」の開発ホールライフカーボン削減とレジリエンス性能向上に寄与するTABSを構築心地よく働ける、木立に包まれた「自然体」オフィスを創出私たち日建設計は、125年の歴史の中で、社会的価値の創造に挑み続けてきました。環境負荷の低減や社会貢献を重視した 建築・都市設計に取り組み、クライアントやパートナーとの共創を通じて持続可能な社会の実現を目指しています。その先進的な取り組みは国内外で高く評価され、数々の受賞や認証の取得につながっています。環境関連の受賞・認証実績6環境・設備デザイン賞YANMAR TOKYO空気調和・衛生工学会技術振興賞空気調和・衛生工学会特別賞「十年賞」東京電機大学 東京千住キャンパス本プロジェクトは、都内理工系大学トップクラスの省CO2性能を目標に設計され2012年に竣工しました。その後11年間にわたり施主・学識者・設計者・施工者・建物管理者に加えて学生も参加する体制を維持し、継続的な省エネ活動を実践してきました。BEMSを活用したチューニング、大学情報システムとの連係、劣化診断など幅広い取り組みを実践した結果、竣工当初との比較で一次エネルギー消費量25%削減、ピーク電力17%削減を達成しました。静岡県くらし・環境部環境配慮建築物表彰浜松いわた信用金庫 本部・本店浜松城を望む地に建つ、信用金庫の本部・本店の新築計画です。グラデーショナルに角度が変わるテラコッタ外装ルーバーで建物を包み、日射・気流・視線制御と眺望確保を両立させた上下階をつなぐ心地よい吹き抜けをつくりました。外周柱をオフセットさせて基礎躯体量を減らし、屋外感のあるアトリウムで温熱環境のムラを許容して、コストとCO2を削減しています。環境の違いや不均一さを前向きに捉えて、受け入れる「自然体」のオフィスを目指しました。撮影:川澄・小林研二写真事務所撮影:(株)エスエス撮影:アーキフォト北嶋俊治https://hamamatsu-iwata.jp/topics/news/20220901_8456.html日本では中間期が短くなり夏季と冬季の二季化が進んでいると言われており、空調省エネ手法の一つである自然換気の有効期間が減少しています。そこで、今までより低い外気温度帯でも自然換気を可能とするシステムとして、室内天井面から均等に送風することでドラフトを感じない多孔式パネルダクトを用いた自然換気システムを考案し、自然換気有効期間約70%拡大を実現しました。また、オフィスビルで中間期に余るコジェネレーションシステムからの排熱を重力換気シャフト内に放熱し、自然換気性能を向上させる工夫も行っています。明治アドエージェンシー本社躯体蓄熱放射冷暖房(TABS:ThermoActiveBuildingSystem)を導入し、高効率空調、階高圧縮、熱源容量削減を実現することで、建物の生涯(建設、運用、解体)を通して排出される温室効果ガス(ホールライフカーボン)の削減に取り組みました。TABSは停電などによる空調停止後にも室温変動を緩和する効果があることから、レジリエンス性能向上にも寄与しています。GHGClimateGHGClimateResilienceGHGClimateBEMSGHGClimateHealth&Safety
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