PRESS RELEASE

BIMの効果的な活用を促すためのハンドブック「BIM Uses Definitions Vol.1」を制作・公開
日本独自の事情に合わせて制作、BIM活用による建築領域のDXを推進

株式会社日建設計(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:大松敦)は、日本の建築領域でDX(デジタルトランスフォーメーション)推進による生産性向上が必要とされる中、BIMの効果的な活用を促すためのハンドブック「BIM Uses Definitions Vol.1 BIMを活用するプロセスやタスク」を制作いたしました。本ハンドブックは日建設計のホームページで公開します。

発注者と受注者の間でBIM活用方法が正しく共有できず、効果的なBIM活用には課題あり

BIMは国内では設計者や施工者によるモノづくりのためのツールとして活用されてきましたが、BIM活用促進のため、今後は企画から維持管理・運用にいたる建物のライフサイクルの観点で、発注者が主体的に利用できるよう有益な情報を整理していくことが重要視されています。
発注者が積極的にBIMを活用するために「EIR(Employer’s Information Requirements:発注者情報要件)」という書類で、各段階において「どのような目的で、どのようにBIMデータを利用するか」を記述することが求められています。しかし、BIMの活用方法の要望を文章で記載するだけでは受注者に正しく意図を伝えることが難しく、発注者と受注者の間で誤解が生じることもあり、効果的なBIM活用には課題がありました。

日建設計が「BIM Uses Definitions Vol.1 BIMを活用するプロセスやタスク」を制作・公開

そこで日建設計は、発注者と受注者の円滑な意思疎通をサポートし、業界全体でBIMの活用を推進するため、ニュージーランドのBIMinNZが作成した「The New Zealand BIM Handbook」の付録資料「Appendix D BIM Uses Definitions」に着目しました。
本付録資料は、発注者が21項目からBIM利用法を選択しEIRに記載することで、活用方法を受注者へ正しく伝えることができるものであり、NZをはじめ、世界各国で活用されてきました。(元はペンシルバニア州立大学の「BIM Project Execution Planning Guide」に記載されていた資料)
日建設計はこのニュージーランド版「Appendix D BIM Uses Definitions」の内容を分析し、日本の事情に合わせて翻訳したハンドブック「BIM USES Definitions Vol.1 BIMを活用するプロセスやタスク」を制作し、ホームページにて公開しました。施設整備・管理に携わる様々な関係者の方々に本ハンドブックをご活用いただくことで、発注者と受注者がBIM活用方法を正確に共有できるようになり、日本のBIM活用を促進し建築領域のDX推進につながることを期待しています。

国土交通省のBIMモデル事業で「BIM Uses Definitions Vol.1」を検証し、その有効性を確認

また、「BIM Uses Definitions Vol.1 BIMを活用するプロセスやタスク」は、国土交通省の「BIMを活用した建築生産・維持管理プロセス円滑化モデル事業」に採択された「Life Cycle Consulting 発注者視点でのBIM・LCCに関する効果検証/課題分析」にて、実プロジェクト「(仮称)プレファス吉祥寺大通り」のライフサイクルコンサルティング業務の一貫で活用・検証し、その有効性を確認しました。

令和3年度 BIMモデル事業 検証結果報告書

ライフサイクルコンサルティング業務でBIM Uses Definitionsを活用し、建築領域のDXを推進

本ハンドブックは、建築設計・建設・施設管理におけるBIMの利用促進の目的であれば、出典を明らかにした上で二次利用いただくことが可能です。企画から設計、施工、維持管理に至るまで、発注者のBIMコンサルを行うライフサイクルコンサルティング業務に活用出来る本ハンドブックが、建築領域のDX推進の一助となれば幸いです。今後も日建設計では、日本の建築領域におけるDX推進を図るため、BIMの普及・促進へ貢献してまいります。

ライフサイクルコンサルティング:NIKKEN EXPERTISE

BIMとは

BIMとはBuilding Information Modellingの略称で、コンピュータ上に作成した3次元の形状情報に加え、室等の名称・面積、材料・部材の仕様・性能、仕上げ等、建築物の属性情報を併せ持つ建物情報モデルを構築するシステムです。
BIMにより建築の設計から施工、維持管理までのあらゆる工程で情報を一元管理できるため、各種シミュレーションをスムーズに実施できるほか、建築物のイメージ共有が容易なことで関係者間のコミュニケーションを円滑化できます。また、建物完成後も活用可能なデータにより運営や維持管理をより効率的化することが可能です。近年、建築領域においても労働人口が減少する中、DX推進により生産性向上を図るため、国土交通省を中心にBIMの活用が推進されています。
また、日建グループのコンサルティングファームである日建設計コンストラクション・マネジメントでは、発注者が利用することを念頭に置いた「やさしいBIMⓇ」を提案しました。

日建設計について

日建設計は、建築の設計監理、都市デザインおよびこれらに関連する調査・企画・コンサルティング業務を⾏うプロフェッショナル・サービス・ファームです。1900年の創業以来120年にわたって、社会の要請とクライアントの皆様の様々なご要望にお応えすべく、顕在的・潜在的な社会課題に対して解決を図る「社会環境デザイン」を通じた価値創造に取り組んできました。これまで⽇本、中国、ASEAN、中東でさまざまなプロジェクトに携わり、近年はインド、ロシア、欧州にも展開しています。2021年3月には、脱炭素社会への取り組みに向けた「気候非常事態宣言」を宣言しました。

本件に関するお問い合わせ先

株式会社日建設計 広報室 Tel. 03-5226-3030(代表) e-mail:webmaster@nikken.jp

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