PRESS RELEASE

「行動変容」をテーマとした新たなサービスを開始
一人ひとりの行動がよりよい社会を実現するための仕組みを提案する
~2023年7月1日、企画開発部門「コモンズグループ」始動~

株式会社日建設計(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:大松敦)は、2023年7月1日、行動変容をテーマとしたコンサルティングサービスを提供する「コモンズグループ」を設立します。

「行動提案」から「行動変容」へ

日建設計は、これまで、建築・土木の設計監理、都市デザインおよびこれらに関する調査・企画・コンサルティング業務により生み出した空間を通じて、ユーザーに新たな行動を提案してまいりました。
この度設立する「コモンズグループ」は、日建設計が培ってきたナレッジやノウハウを生かし、社会やクライアントが目指す姿に合わせて、従業員、市民、消費者一人ひとりの「行動変容」を促す仕組みとしての建物や空間、さらには制度やプロセスなど、多様な提案を行う新組織です。

何ゆえ「コモンズ」か

「コモンズ」とは、入会地(いりあいち)とほぼ同義で、「共有地」やコミュニティに属する共通の場所を指す言葉です。特定の人や団体が所有・占有することなく、誰もが自由に利用できる空間を意味します。
一般的に建築や都市の中に存在する「空間」の多くには、所有者(管理者)と利用者、公共と民間などの区分・区別があり、それぞれの主体が空間に求める役割、用途、機能、効果・効用が必ずしも一致したものばかりではありません。そしてそのことが、様々な課題を生み出す根源になっています。
そこに横たわる課題を丁寧に紐解いて、双方のギャップを埋めることができれば、建築・都市空間は、社会資本としての効用を最大化し、ステークホルダー間の共有資産としての認識を高めて、新たな価値提供が可能な空間に生まれ変わるはずです。また、各ステークホルダーの更なる愛着の醸成と持続性を向上することができます。
このような建築・都市における共有資産化と持続性向上を促す、システム、プロセス、そして空間を提供するための「行動変容コンサルティング」へのチャレンジを「コモンズ」というグループ名称に込めました。

不確実性の時代の「行動変容」の有効性

VUCAの時代と呼ばれ、不確実性の高い現代社会は、社会課題が複雑化し、イノベーションやDXの推進などの側面でも、目指すべき姿や作るべき形をイメージすることはますます難しくなっています。このような時代、目指すべき方向性に従った「行動変容」起点の「仕組み」をつくりあげ共有することが、一人ひとりの納得を得つつ、自然に共通の目的を達成する未来につながると考えています。
例えば、昨今急激に進められつつある働き方改革を背景としたワークプレイスの刷新も、様々な用途や労働形態を受け入れる「空間」づくりだけではなくなっています。イノベーション経営、従業員の自己実現、組織へのエンゲージメントの向上など、企業経営にとって重要な制度、人材育成、マネジメント、すなわち企業(経営者)と従業員の共有資産(コモンズ)となる「仕組み」が必要となりました。実現のプロセス自体も重要な目的になりつつあります。そのことからも、行動変容を起点としたアプローチの有効性とコンサルティングの必要性を強く認識しています。

2026年15億円の売り上げ

社会課題解決の行動促進で約11兆円の社会的インパクトが創出され(EY JAPAN試算)、そのうち日建設計がアクセスできる行動変容を促すコンサルティング市場は約2,000億円と試算しています。2026年には15億円の売り上げを目標に業務と領域を開拓していきます。

コモンズグループの組織・体制について

コモンズグループは、これまでのアクティビティや空間利活用等、利用者起点のコンサルティング業務を展開してきたNikken Activity Design Lab.(NAD)(新領域開拓グループ)、パブリックアセットラボ(都市・社会基盤部門)、エモーションスケープラボ(新領域開拓グループ)を統合・再編します。
コモンズグループは「ワークスタイル」、「パブリックアセット」、「コマーシャルエクスペリエンス」「エモーションスケープ」の以上4つのユニットで構成されます。
中期的には「行動変容」を対象としたさらに広い領域に拡張していくことを目指します。
なお、「行動変容コンサルティング」は、日建設計が蓄積した建築・都市の視点からの知見に加え、幅広い分野・領域の知見を結集して展開することが望ましいと考えております。そこで、これまでの日建設計にない専門性を持つ人材など、新たな仲間を求めています。
また、「オープンプラットフォームの構築」を指向する日建設計の新しい社会ニーズに応える方法論として、社外の様々な方々との協働を進めていきます。

コモンズグループ プリンシパル 大谷弘明からメッセージ

これまで私たちは、建築・都市をつくることにより、結果として人々の行動に変化を促してきました。今回発足するコモンズグループにおいては、この順序を逆にしてみようと思います。つまり人々の行動変容を先読みすることによって、建築や都市の在り方を変えていく、さらには人事や制度にまで踏み込んだ仕組みにまでコンサルティングを広げます。私たち日建設計職員の、飽くなき好奇心、チャレンジするマインド、そしてなによりも社会に貢献したいという情熱を、これからの仕事に役立てていきます。

統合される3つのラボについて

〇Nikken Activity Design Lab.(NAD)
2013年に設立。設計業界では前例のない「アクティビティデザイン」を通じて空間にアプローチするコンサルティングビジネスにそのナレッジを蓄積してまいりました。

〇パブリックアセットラボ(Public Asset Lab(PAL))
2018年に設立。渋谷区立北谷公園の指定管理者業務を担当する等、パブリックプレイスの企画・設計・運営をトータルにデザインし、公園を利用者が主役のマルチタスク空間に変え、周辺の街づくりへと拡張していく仕組みづくりにも取り組んでまいりました。

〇エモーションスケープラボ(ESL)
2021年に設立。人々の行動や価値判断のもととなる「情動」に着目し、未来の新たな価値を提供する場や状態(エモーションスケープ)を実現することで業務を展開しています。

日建設計について

日建設計は、建築・土木の設計監理、都市デザインおよびこれらに関連する調査・企画・コンサルティング業務を⾏うプロフェッショナル・サービス・ファームです。1900年の創業以来120年にわたって、社会の要請とクライアントの皆様の様々なご要望にお応えすべく、顕在的・潜在的な社会課題に対して解決を図る「社会環境デザイン」を通じた価値創造に取り組んできました。これまで⽇本、中国、ASEAN、中東等でさまざまなプロジェクトに携わり、近年はインド、欧州にも展開しています。2021年3月には、脱炭素社会への取り組みに向けた「気候非常事態宣言」を宣言しました。

お問い合わせ先・取材申し込み

株式会社日建設計 広報室  TEL:03-5226-3030(代表)  E-mail:webmaster@nikken.jp

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