Internet of Things

IoT・AIで実現する“人を中心とした”空間創出をめざして

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人が活動する建築空間。これまでは、明るさや暑さ寒さなど、直接的な欲求を実現するために、個々のシステムの適正化をめざしてきた。
Society5.0に転換しようとしている今、IoT(Internet of Things)を建物内外に取り込むことで、人を中心としたさまざまな潜在的な情報までも収集し、横断的に解析・連携させることで、人の創造力向上につながる、健康・省エネルギー・幸福な空間を創り出したい。

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我々がIoTに期待するもの

「我々がIoTに期待するもの」それはInternet of Thingsという言葉に示されるように、あらゆるものからデータを収集・分析することで、今まで人の目には見えなかったことを可視化し、新たな気づきを得、それを改善・向上することで、より高いサービスを提供することにある。また、より多くのデータを高い精度で効率よく扱う技術としてAIの活用も不可避と考えている。

人の幸福度をセンシングして
さらに快適な空間を創造する

人は、社会的に自分の特性に合った人間関係・仕事・生活環境を得られている際に幸福を感じ、パフォーマンスを高めると言われている。近年、人の幸福度をセンシングして、その数値と企業の生産性の関係を研究する取り組みも行われている。今後は、幸福度を KPI(Key Performance Indicator)として建築をデザインして、建築設備をコントロールする時代がやってくるものと思われる。
これらの幸福度をIoTを使って収集し、AIを活用して最適化・高精度化できると考えている。現在、種々の実証試験を始めた段階であるが、Society5.0と言われる“人を中心とした幸福度が高い環境”、さらには“人のパフォーマンスを最大化”できる建築空間や都市空間を実現していきたいと考えている。

幸福の定義とAIの活用

新たな価値を創造するデータプラットフォーム

これまではシステムごと(空調、照明、セキュリティなど)に分かれていたデータを、一元化するデータプラットフォームの構築が必要になる。例えば、空調・照明・エレベーター・セキュリティのデータがスマートフォンの通信で共有され、Webページ・アプリケーションで操作・稼働できるシステムが該当する。そこで得られたデータは、ワーカーの利便性・快適性の向上、ワークプレイス運用の効率化、設備システムの省エネルギー化などさまざまな場面で活用される。
さらには、データは蓄積して分析することでさらに価値が高まる。また、異なる種類のデータを組み合わせることで新たなサービスが生まれる。複数の建物のデータをクラウドで保存・共有するため、クラウド化や共有化に向けたセキュリティ確保・データ取得ルール構築に関する検討を進めている。

プラットフォーム構想例

さまざまなサービスを提供するロケーションシステム

「人の位置を把握する」それは、建物内で種々のサービスを展開するうえで極めて重要である。個人の代替となるスマートフォンIDをもとに位置を把握し、センシングされた位置を対象として建物設備を制御する仕組みを、ロケーションシステムと呼んでいる。位置情報を検知するためのアンテナ・端末の種類、測位方法、費用、プライバシー、ネットワークセキュリティなど種々の課題について現在検討・検証を進めている。
建物外部空間においてはすでにGPSとインターネットによって生活環境が格段に便利になったように、建物内部空間においても今後のスタンダードになることが必至と考えている。さらにいずれは、3Dモデルデータや、地図座標(都市座標)の連携まで発展させていくことを期待している。

ロケーションシステム概念図例

オフィスワーカーそれぞれの環境要望に応える

均質な制御では、省エネ性・快適性が損なわれているかもしれない。

 これまでは均一だった照度や室温をオフィスワーカーそれぞれが求める環境にすることで知的生産性の向上につながると言われている。いまやすべてのワーカーが所有しているスマートフォンを操作端末として、これらに応える快適なオフィス空間(ロケーションサービス)の実現を検討している。(佐藤孝輔、谷口洋平)
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>佐藤孝輔
>谷口洋平

AIで空調を制御する

 IoTとAI(人工知能)の黎明により、画像認識・緻密な最適化・ビッグデータの処理・予測が可能となった。 AIを用いた空調制御により、これまで快適性を担保するためエネルギーロスが多かった空調設備の省エネルギー化を検討している。(大浦理路)
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>大浦理路

位置情報を取得する技術 -Bluetoothを使う-

 ロケーションサービスの実現には、オフィスワーカーそれぞれが館内の何処にいるかを正確に把握することが必要になる。安価・省電力なBluetooth発信端末としてBeaconを適用したシステムの検証を行っている。(谷口洋平)
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>谷口洋平

位置情報を取得する技術 ─地磁気を使う─

 鉄骨造や鉄筋コンクリート造など鉄を使用する建物では、鉄に帯磁された磁気の影響により建物内の位置ごとに異なる磁気特性を持つ。この特性に注目し、建物固有の地磁気マップを作成し、スマートフォンが捉えた地磁気情報とのマッチングによる位置情報を把握するシステムの検証を行っている。(武田尚吾、谷口洋平、吉田亘佑)
>武田尚吾
>谷口洋平
>吉田亘佑

サーモセンサーで在室人数を把握する

 リアルタイムに在室人数を把握することができれば、使用者の省エネ行動に頼らずに効率的な空調・照明制御が可能となる。サーモセンサーにより人数検知することで、実際の使用人数に応じた空調・照明の省エネルギー制御を開発した。(中村弘和)
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>中村弘和

トイレの使用状況を可視化する

トイレブース内にセンサーを設置し、照明による満室表示と”twitter”でのtweetにより満室配信を行った

 オフィスワーカーの不満の一つに「トイレに行った時に満室で自席に戻ること」が挙げられる。このような不満解消をめざして、扉開閉状態をIoT技術を用いて可視化するシステムの開発を行った。このような手法を用いることで、効率的な施設利用とワーカーの時間のロス・不満解消をめざしている。(佐藤孝輔、平田裕信)
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>佐藤孝輔
>平田裕信

ワークプレイス改革を実現する Adaptable Lighting

 ワークスタイル・プレイス改革の実現には、事務室内の環境もこれまでの均一なものから、ワークスタイルに合わせて可変することが求められる。グルーピングの制約をなくし、ニーズに応じた調光・調色を可能とするワイヤレス制御を用いたAdaptable Lightingにより、フレキシブルな光環境を実現し、知的生産性向上と省エネルギーの両立をめざしている。(横田雄史、楠田貴昭)
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>横田雄史
>楠田貴昭

スマートコンセントで事務室の電力使用を減らす

コンセントに接続された各機器の電力消費量が見える化される

 真のZEBを実現するためには、照明や空調に加えて、コンセントの使用量削減まで建築側からアプローチすることが求められる。実建物における機器単位での消費状況を実測しながら、傾向を把握し省エネ制御につなげる検討を行っている。(川合満男、山岸陽子)
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>川合満男
>山岸陽子

このIdeasは、設備設計グループに所属する約200人のメンバーひとりひとりが、毎年1年をかけてアイデアを提案する活動「ID200」の中から生まれたものです。

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