コストマネジメントレポート 2021 4-6月号
2021年4月号を掲載しました。
「21年度は設備投資が回復するも建設物価の下落傾向は持続する見込み」
「21年度は設備投資が回復するも建設物価の下落傾向は持続する見込み」
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21年度は設備投資が回復するも建設物価の下落傾向は持続する見込み
21年度の設備投資は19年度を下回る見込み
企業収益の順調な回復など好材料があるが、設備投資の先行き予測の傾向は前回から変わらない。2021年度の民間企業設備投資は回復するものの勢いは弱く19年度を下回り、民間住宅投資は回復力に欠け低い水準のまま推移する見通しである(図1)。
施工会社の手持工事高は消化が進む
足元の建設動向について施工会社の受注高をみると、大手・準大手施工会社*とも消費増税前の駆け込み受注などで大幅に増加した18年度以降減少が続いている。20年度の4-12月実績値は直近5年よりも低く、これに伴い手持ち工事高の消化が進んでいる(図2)。
*大手施工会社:大林組、鹿島建設、清水建設、大成建設の4社。竹中工務店は四半期決算非開示のため対象外。
*準大手施工会社:直近3年の単独売上高が3000億円を超える施工会社のうち、長谷工コーポレーションを除く、安藤ハザマ、熊谷組、五洋建設、東急建設、戸田建設、西松建設、前田建設工業、三井住友建設の8社。
*大手施工会社:大林組、鹿島建設、清水建設、大成建設の4社。竹中工務店は四半期決算非開示のため対象外。
*準大手施工会社:直近3年の単独売上高が3000億円を超える施工会社のうち、長谷工コーポレーションを除く、安藤ハザマ、熊谷組、五洋建設、東急建設、戸田建設、西松建設、前田建設工業、三井住友建設の8社。
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図1 民間企業設備投資・民間住宅投資の推移と予測
資料:内閣府「四半期別GDP速報」、日本経済研究センター「短期経済予測」 -
図2 施工会社の国内建築の受注高と手持ち工事高
資料:各社決算資料より作成
※20年度の手持ち工事高は20年12月末時点の金額
価格競争案件と特命案件の価格二極化が拡大
足元の低調な受注高、勢いに欠ける21年度の設備投資予測などから、価格競争案件では工事価格の下落傾向は今後も持続する見通しである。一方で特命案件は平均乖離率*がプラス5~14%の間を推移しており、競争案件との差が拡大し、今期以降も工事価格の二極化が進むと考えられる(図3)。
*平均乖離率:見積金額が予定価格からどれだけ上振れた(下振れた)かを示す乖離率について、年毎に各案件の乖離率を平均した値。
*平均乖離率:見積金額が予定価格からどれだけ上振れた(下振れた)かを示す乖離率について、年毎に各案件の乖離率を平均した値。
鋼材価格の高騰に注意
年初から鋼材価格が高騰している(図4)。値上げの要因は中国の鋼材生産拡大による原料価格の上昇。全てが工事費に反映されるわけではないが、特命発注など価格転嫁がしやすい案件における見積時の鉄骨単価の上昇や、工事中の請負代金の変更請求などの可能性があり注意が必要である。
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図3 価格競争案件と特命案件の平均乖離率
資料:日建設計実績 -
図4 鋼材価格(普通鋼)の推移
資料:経済調査会「建設資材価格指数」
三地区とも下落傾向が持続
NSBPI
首都圏
一部材料に値上げの動きがあるが、現段階で影響は小さく建築・設備ともに下落傾向が強まった。
NSBPI
関西圏
鋼材や電気銅など資材価格の上昇が見られるものの、競争圧力は強く、総合指数は小幅に下落した。
NSBPI
東海圏
建設需給にタイト感は無く、鋼材や電気銅など資材価格が上昇するも工費を抑制し総合指数は小幅に下落した。
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NSBPIの推移
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NSBPIの増減率と建築・設備の寄与度
東京の生コン価格が上昇
生コンクリートの値上げの動きが広まっている。原材料費や輸送費の上昇を要因として東京地区生コン組合が20年4月契約から1,000円/㎥(7%)の値上げを表明して以降、東京では値上げが浸透しつつある。東京以外にも値上げを表明する生コン組合があり、各地に値上げの動きが広がっている。生コンは主要材料のため工事費への影響も小さくなく留意を要する。
労働需給は横ばい
20年11月、12月に不足率が減少し21年1月に再び増加したが、変動幅は小さく20年4月以降の低い水準が続いている。工事量の減少が要因であるが、建設業の就業者数の減少や高齢化は進んでおり、労務単価が下落に転じる可能性は低い。
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生コン価格の推移
資料:経済調査会「建設資材価格指数」 -
建設技能労働者過不足率の推移
資料:国土交通省「建設労働需給調査(8職種計・全国・季節調整値)」