コストマネジメントレポート 2026 7-9月号
2026年7-9月号を掲載しました。
「中東情勢の影響を受け、建設物価の上昇幅拡大」
「中東情勢の影響を受け、建設物価の上昇幅拡大」
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中東情勢の影響を受け、建設物価の上昇幅拡大
大手ゼネコンの完成工事利益率、期首予想を上回る
2025年度の大手ゼネコン完成工事利益率(4社*1平均)は、12%と期首予想を大幅に超えた(図1)。26年度の期首予想は、これまでのような受注時採算の向上は難しい旨のコメントが見られ、25年度と同程度を見込む。また、中東情勢の影響については、各社ともに足元では限定的とするものの先行きの懸念を示している*2。
設備サブコンの完成工事利益率の上昇続く
大手サブコン完成工事利益率(電気5社*3、機械7社*4の平均)は15~23年まで13~15%前後で推移していたが、24・25年と上昇が続く(図2・3)。データセンターや生産施設などの豊富な受注状況が反映されている。
図1~3.完成工事利益率の推移
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図1 大手ゼネコン4社平均
各社決算資料より作成。 -
図2 大手電気サブコン5社平均
各社決算資料より作成。 -
図3 大手機械サブコン7社平均
各社決算資料より作成。
中東情勢の影響が建設物価に顕在化
中東情勢の悪化により、原油価格は3月に急上昇し、5月には月平均99ドルとなった。原油の供給制約も加わり、石油・石炭・化学製品を中心に企業物価指数も急上昇した(図4・5)。各メーカーはカタログ価格や取引価格を改定しており、それが直近の見積価格にも反映されている。
情勢緩和が進むものの見積価格への影響は依然として不透明
今後も資材価格上昇・工期延長のリスクを織込んだ見積価格が提示される可能性はあるものの、中東情勢緩和の動きが見られる中でリスクは縮小していくと考えれる。一方で、足元でも企業規模などにより資材供給の状況に差が見られること、急変リスクは残っていること、などにより見積価格への影響には、引き続き注視が必要。
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図4 原油価格・企業物価指数の推移
The World Bank「Commodity Prices」、日本銀行「企業物価指数」より作成。 -
図5 中東情勢悪化前後の企業物価指数の上昇率
日本銀行「企業物価指数」より作成。最新値(26年5月)と26年2月の値の比較。
建設物価の前期比、再び2%台に
日建設計標準建築費指数NSBPI*5
建築工事は、中東情勢の影響に加え、鋼材、コンクリート、その他工種で上昇がみられ、上昇率が前期よりも高まった。
設備工事は、中東情勢の影響に加え、設備機器のメーカー価格改定、電気銅など資材価格上昇分が見積に反映されたこと、労務費、経費率の上昇などにより、上昇率は前期よりも大きく拡大。
上記により、総合指数の前期比は3四半期ぶりに2%台となった(図6・7)。
設備工事は、中東情勢の影響に加え、設備機器のメーカー価格改定、電気銅など資材価格上昇分が見積に反映されたこと、労務費、経費率の上昇などにより、上昇率は前期よりも大きく拡大。
上記により、総合指数の前期比は3四半期ぶりに2%台となった(図6・7)。
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図6 NSBPIの推移
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図7 NSBPIの増減率と建築・設備の寄与度
大阪の生コン価格が上昇 東京は来年に値上げ
大阪広域生コンクリート協同組合が今年4月より生コンの定価を3割値上げしたことが、市況にも浸透し大阪の生コン市況価格が上昇(図8)。大阪近郊でも同様に定価値上げの実施や予定をしており、東京地区は27年4月から定価の12%値上げを表明するなど、引き続き市況価格上昇に留意が必要。
労務不足感は他業種と比べ高止まりが続く
建設業の雇用人員判断DIは、21年以降上昇傾向が続いている(図9)。人手不足感の強い他業種は上昇に一服感がある中で、建設業の動きが際立つ。生産性の向上とともに、担い手の確保に向けた取り組みが今後も拡大すると考えられる。
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図8 ⽣コン価格の推移
経済調査会「積算資料」より作成。 -
図9 雇⽤⼈員判断DI(⼤企業)の推移
⽇本銀⾏「全国企業短期経済観測調査」より作成。
*1:大林組、鹿島建設、清水建設、大成建設の4社。
*2:2026年3月期の各社決算資料より。
*3:関電工、きんでん、クラフティア、トーエネック、ユアテックの5社。
*4:朝日工業社、三機工業、新日本空調、新菱冷熱工業、大気社、ダイダン、高砂熱学工業の7社。
*5:日建設計標準建築費指数 NSBPI:
日建設計が独自に算出している建設物価の値動きを示す指数。標準賃貸オフィスを数量モデルとして、
独自調査により把握した実勢価格を随時反映させた工事価格を算出し指数化したもの。
第1四半期は1~3月、第2四半期は4~6月、第3四半期は7~9月、第4四半期は10~12月を示す。
*本レポートは、2026年6月30日正午時点での情報をもとに作成しています。
*2:2026年3月期の各社決算資料より。
*3:関電工、きんでん、クラフティア、トーエネック、ユアテックの5社。
*4:朝日工業社、三機工業、新日本空調、新菱冷熱工業、大気社、ダイダン、高砂熱学工業の7社。
*5:日建設計標準建築費指数 NSBPI:
日建設計が独自に算出している建設物価の値動きを示す指数。標準賃貸オフィスを数量モデルとして、
独自調査により把握した実勢価格を随時反映させた工事価格を算出し指数化したもの。
第1四半期は1~3月、第2四半期は4~6月、第3四半期は7~9月、第4四半期は10~12月を示す。
*本レポートは、2026年6月30日正午時点での情報をもとに作成しています。