感性がまぶしく輝く街「渋谷」へ。
多様なパブリックスペースがその未来を牽引。

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東急グループは、世界を牽引する新しいビジネスやカルチャーを発信するステージとして「エンタテイメントシティSHIBUYA」の実現を目指し、渋谷駅周辺を中心に大規模な開発プロジェクトを推進しています。
日建設計は、この開発に都市計画段階から深く関わり、世界50カ国、25,000件を超えるプロジェクトに関わってきた経験値とノウハウをこの渋谷に注いできました。そこで、大きく変わりつつある渋谷の未来を、日建設計 代表取締役社長 亀井忠夫が、東急 代表取締役会長 野本弘文氏にうかがいました。

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「日本一訪れたい街」へ、渋谷を大改造

-百年に一度というこの渋谷の大改造を進める契機は?

東急 代表取締役会長 野本弘文氏

野本会長(以下野本):渋谷はもともと「谷」という立地もあり、街が広がりにくい特性があり、街の滞留時間が短いことが問題でした。2007年、私が渋谷の街づくりに関わった時に、渋谷の特徴を出さなければならないと考えました。そのために打ち出したのが「日本一訪れたい街」というコンセプトです。渋谷にはNHKや東急文化村があり、ホール数、ライブハウス数、映画館の席数では日本一でした。それらを基盤に「エンタテイメントシティSHIBUYA」を目指したのです。

亀井社長(以下亀井):2000年ぐらいから渋谷の大改造に参画させていただきました。渋谷駅の利用者は大幅に増え、キャパシティはオーバーフロー状態にありましたので、訪れる人が快適でストレスなく過ごせる街へ改造することが必要でした。その中で、2012年に完成した「渋谷ヒカリエ」の設計を担当させていただき、その敷地の中に、交通の結節点である地下から地上へ人々をスムーズに移動させる「アーバン・コア」というパブリックスペースを整備させていただきました。これが渋谷開発全体のモデルケースとなり、昨年11月の「渋谷スクランブルスクエア」1期竣工にもつながっています。この「渋谷スクランブルスクエア」の計画段階では、建築家の隈研吾さんや妹島和世さんと行なったデザインワークショップに野本会長も加わっていただき、熱い想いを語っていただきました。

パブリックスペースを軸に、トルネードのように渦を巻き発展していく渋谷へ。

-今後はどのような方向に向かって渋谷は発展していくのでしょうか?

野本:渋谷は谷底であるがゆえに、人やエネルギーが底から湧き出て上昇する。さらに平面的にもあたかもトルネードのように渦巻いて街全体に広がっていく。このような発展のしかたが地勢的にふさわしいと考えます。そのことで、今まで他にない楽しさを表現できる渋谷ができていきます。日建設計がまさに世界でやってきた街づくりを渋谷で一緒にやっていただいているところです。

亀井:海外の更地で行う計画と違い、渋谷はいろいろな歴史や制約を紐解いていくところがたいへん面白いと思います。今、開発は駅に集中していますが、街の発展という意味では周辺にも人の流れを伸ばしていかなければなりません。現在、渋谷という街は放射状に発展していますが、拠点を効果的に配置しながら、放射線をリングで結んでいくと、全く違う渋谷が誕生するでしょう。

-開発の中で、パブリックスペースが大きな役割を果たしますね?

日建設計 代表取締役社長 亀井忠夫

亀井:私たち日建設計は、国内外で都市開発のお手伝いをしていますが、その中でこの渋谷の大改造と同様にパブリックスペースをどうつくっていくかを常に考えています。2017年から、ブランドタグラインとして「EXPERIENCE,INTEGRATED」を掲げています。これは我々の経験とお客様の経験をインテグレイトして、さらに多彩な体験を生み出すことの決意を表明したものです。

野本:基本的には街づくりにおいて、企業は最大限の利潤を追求せざるを得ません。しかし、二子玉川の開発でも実践しましたが、パブリックスペースをつくることはできます。いろいろなところに新しいパブリックスペースの拠点ができれば、回遊性も高まり、街が広がっていくと思います。

感性が見える、「世界の渋谷」へ。

-渋谷という街の未来はどのようになっていくのでしょうか?

渋谷スクランブルスクエア

野本:IT企業をはじめ、感性の高い消費者に身近に会える街だから、渋谷に事業所を置きたいという会社は多いと思います。私は、渋谷を「感性が見える街」とネーミングしています。この「渋谷スクランブルスクエア」の中にも、「ASOVIVA」という買う場、過ごす場、集いの場の3つの遊び場を提供する空間を設けました。「遊ぶ」ということは文化の原点です。それが伝播しながら渋谷の街全体に広がっていくことができれば、「世界の渋谷」になることができます。

亀井:「渋谷スクランブルスクエア」15階に設けられた、「渋谷から世界へ問いかける可能性の交差点」がコンセプトの「渋谷キューズ」も、渋谷に集い活動する人達のための拠点です。サードプレイス的なところがあり、仕事なのか、遊びなのか境目が曖昧なスペースになっているのが特徴です。

野本:まさに日建設計の「EXPERIENCE,INTEGRATED」の体現ですね。街は、感性の滞留があって初めて新しい感性が誕生します。以前、シリコンバレーに行った時に、オープンで皆が集まって交流する場がたくさんありました。そのような場所が日本にも必要だと思います。「二子玉川ライズ」にも、「渋谷キャスト」にも、「渋谷ヒカリエ」にも交流スペースを数多く作りました。

亀井:弊社はこれまで、東京スカイツリーⓇ、クイーンズスクエア横浜、東京駅八重洲口開発などのプロジェクトを手がけてきました。また海外では、スペインのFCバルセロナのスタジアム「カンプ・ノウ」の改築において、外壁を取り払うことで、コンコースに立つ観客自身が都市の風景となるように計画しています。こういったパブリックスペースを大切にした開発を実践してきた文脈の中に、この「渋谷スクランブルスクエア」もあるのです。

-「渋谷スカイ」はまさに新しいランドマークにふさわしい施設ですね。

亀井:「渋谷スクランブルスクエア」の地上約230mにある展望施設「渋谷スカイ」は、感性を刺激する展望空間ですね。

野本:渋谷には、観光的な要素としてスクランブル交差点とハチ公の二つしかありませんでした。そこで世界一のものを渋谷につくりたかったのです。それで屋上のヘリポートをピラミッド型にしてもらいました。

亀井:パブリックスペースが空中にできたことの意義はたいへん大きいと思います。スクランブル交差点やハチ公などの地面と、天空の「渋谷スカイ」がつながりました。これで人々の滞留時間も長くなります。

野本:街は進化し続ける必要があります。「感性が見える街」「感性が滞留する街」を目指していかなければなりません。未来の渋谷はそのような感性豊かな街にしていきたいですね。

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