CEEL/Simulation
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環境シミュレーションの高度化、拡張
環境解析ツールとしての高度化が進むシミュレーション。その開発のキーワードは「つながる」。例えばBIMとのつながりでは、設計フェーズごとにシミュレーションに最適な情報量を持った連携が喫緊の課題である。日建設計では、光環境解析専用のシミュレーションにブラインド計算機能を追加するなど自社開発を進める一方で、BIMとのつながりが容易な(あるいは一体の)パッケージ化された環境・エネルギー計算ツールなどの試用、検証も進めている。見えないものを「見える化」してきたツールとして、MR(Mixed Reality)やVR(Virtual Reality)は、大きく伸ばしたい分野である。モニタから離れた空間の中で、発注者や設計チームとつながるコミュニケーションツールとして期待される。グローバル化が進み、環境指標のLEED、健康指標のWELLで使用される環境・エネルギー評価指標に合った解析が求められることも増えた。世界とシームレスにつながることも課題である。
コンピューテショナル エンジニアリング
ID200を契機に設備設計グループ内に立ち上がったタスクフォースチーム、CEEL(Computational Environmental Engineering Lab)。設計の本質である「創造」にコンピュータを用い、建築の大きな要素である環境面から建築や設備システムのエンジニアリングを進める平均年齢の若いチームである。
まずはRhinoceros + Grasshopperのプロジェクトへの具体的な適用からスタートし、環境の数値化、可視化、最適化のケーススタディは、新しい時代の設計ツールの有効性を実感させる。大きく議論を呼んだのは評価のパラメータに何を選ぶか、環境面だけでなく、コスト、工期あるいは建築自体の美観など、総合的な視点を取り込んだ活用に発展させていきたい。
まずはRhinoceros + Grasshopperのプロジェクトへの具体的な適用からスタートし、環境の数値化、可視化、最適化のケーススタディは、新しい時代の設計ツールの有効性を実感させる。大きく議論を呼んだのは評価のパラメータに何を選ぶか、環境面だけでなく、コスト、工期あるいは建築自体の美観など、総合的な視点を取り込んだ活用に発展させていきたい。
空間に最適な採光と照明を提供
空間と光。その最適な関係のために、模型実験やシミュレーション、実測・評価、器具開発、調整を通じて、採光と照明環境を提案する。オフィスへの自然光の入れ過ぎは視環境上のマイナス効果、カラーライティングが空間を活性化させる、このような研究も進行している。 (海宝幸一、石崎勝司、篠原奈緒子)
風と熱を見える化し、気持ちよい空間を実現
街区スケールモデルを用いた建物の外皮性能、屋上の室外機性能、屋内では放射空調による快適性評価など、風と熱と建築に関わる最適な状態を提案する。BIMデータを活用した、計画初期段階で使える簡易な風環境ツールも開発している。(永瀬 修)
心地よく適音適所な空間の実現をめざして
音楽ホールの豊かな響き、会議場での聞こえやすい音、パブリックスペースの賑わいなど、空間に合わせた音環境は、完成するまで見えないからこそ詳細なシミュレーションや実験・計測を行い、経験知と想像力を働かせて設計する。特にホール等の音楽空間では、現場での試奏確認によるベストチューニングも我々の仕事である。(司馬義英、中川浩一、青木亜美、井上瑞紀)
エネルギーシミュレーションの進化とともに
80年代の熱負荷計算プログラムACSSに源流を持ち、その後、空調システム選定・エネルギー消費計算プログラムであるFACES、ライフサイクルエネルギーマネジメントツールLCEM、そして総合的エネルギーシミュレーションツールBESTなどに発展したエネルギーシミュレーションツールを主体的に開発している。(二宮博史、飯田玲香)
木壁は楽曲のように折り重なり観客を包み込む
「まちと協奏するみどりの中の音楽大学」をテーマとした新キャンパス計画。中心となる室内楽ホール(422席)は、意匠的にも音響的にも優しく深く包み込まれるような空間デザインとしている。市販の音響解析ソフトに加え、RhinocerosとGrasshopperを組み合わせた社内開発アプリケーションを用い、壁の形状や折れ点、段数、幅等をパラメ—タとした検討を行うことで、意匠と音響の両立する最適解を導き出した。
良好な光環境の確保と省エネルギーの両立を図る
良好な光環境の確保と省エネルギーの両立を図ったスポーツ施設。体育館で一般的に用いられるハイサイドライトに加えて光ダクトを導入することで、プレイエリア全体に自然光を導入し、昼光率を大幅に向上させた。構造体である梁に光ダクトを組み込むことで実現した。 人工照明と自然採光を併用することで、光の質(演色性)の大幅な改善も見込まれる。
都市での日常生活を自然と融合させ、地域と共に営み・育んでいく「Urban Farm」
都市での日常生活を自然と融合させ、地域と共に営み・育んでいく「Urban Farm」をめざし、本建築の環境向上に留まることなく、周辺エリアの眺望・環境にも貢献している。
また、ヒートアイランド現象の緩和のため、地表面被覆の改善に加え、都市にスムーズに風を通すような計画とした。
上海の開発ラッシュの中で新しい価値観が芽生えてくれることを期待している。
また、ヒートアイランド現象の緩和のため、地表面被覆の改善に加え、都市にスムーズに風を通すような計画とした。
上海の開発ラッシュの中で新しい価値観が芽生えてくれることを期待している。
都市の風シミュレーション
ビルが密集すると都市の熱がこもるため、風を通すことで排熱を促す。風があることで体感温度は涼しくなる
このIdeasは、設備設計グループに所属する約200人のメンバーひとりひとりが、毎年1年をかけてアイデアを提案する活動「ID200」の中から生まれたものです。