INTERVIEW

#26

建物の循環性の意思を広げる、
したたかなコンサルティングアーキテクト。

山下 朋文

TOMOFUMI YAMASHITA

エンジニアリング部門
サスティナブルデザイングループ
2022年 キャリア採用入社
デザイン科学域 建築学専攻修了

私が日建設計を選んだ理由

前々職は、「マテリアルアップサイクリング(※)」により新しい建築の価値を創造する、起業されたばかりのデンマークの会社で、廃棄材を活用した建築プロダクト開発・ビジネス展開を担当していました。帰国後は建物やエリアの再生に係る設計やコンサルティングの業務に従事。キャリアを通して資源循環について深掘りしてきたのですが、一方でより大きな建築・都市のフィールドで、それらを実践する機会を探っていました。様々な会社を見る中で、日建設計は影響力の大きなプロジェクトを多く手掛けるだけではなく、環境課題に業界でいち早く取り組み、デザインと技術力を以って総合的にアプローチする姿勢に自身の価値観と合う環境があると感じ、入社を決めました。

※マテリアルアップサイクリング……廃棄が予定されている製品・素材に対して、加工や用途の変換等によってより高い価値を実現する製品・素材としてつくりかえ循環させる手法・考え方。

建物を快適・安全に長く使っていくために
最適な保全・改修を計画し実施する

現在、企業が所有する管財(オフィスビル等の建物・設備など)の長期活用に係る計画や改修を中心とした、様々なコンサルティングを行っています。高度経済成長期以降、急激な社会の成長と変化のニーズに対して建物はスクラップ&ビルドで対応することも珍しくありませんでしたが、現在は建物を長く使う時代、建築ストックを活用する時代に入っています。日建設計では建物を長期的に活用していくための課題を明確にし、課題解決に向けた最適な保全・改修を計画して実施しています。構造から機械・電気などの設備、環境まで各分野の第一人者といわれるような社内のプロフェッショナルと協働し、対象となる建物の調査を実施して、建築としての物理的な条件や法適合性の確認を行い、最終的に保全・改修に必要となる設計業務を担当しています。

サーキュラーデザインを推進し、
建築の領域拡大を図る

入社して1年足らずですが、首都圏から地方都市まで、多くの建物のコンサルティングに取り組んできました。これらのお客様のニーズに対応する業務と並行して、建築のサーキュラーデザインを推進するラボ活動を社内有志でスタートさせました。今後、持続可能な社会のためには、サーキュラーエコノミー(循環経済)を実現するサーキュラーデザインが必要となります。サーキュラーデザインは、資源が循環することで、廃棄物という概念をなくすことを目標とした製品やサービスのデザインを指します。具体的には、廃棄物を建物の改修に利活用することで資源循環やカーボンニュートラルに資する取り組みを行ったり、建物の備品や什器等に廃棄予定の素材や自然素材を取り入れる提案、また様々なサーキュラー施策に対する全体のストーリー構築等を行っています。

既存・解体材=次世代の資源
サーキュラーデザインのゴール

私がミッションとしているのは、建築業界の資源循環の追求です。サーキュラーデザインは、これを実現するための手法であり、皆が循環を考えるきっかけとなればと考えています。この領域を開拓するためには、設計等にとどまらず建築産業の川上から川下までを睨んだ取り組み、新しい循環の仕組み創造に挑戦していきたいと思っています。既存の建物を改修しながら、良質なストックを長く使うという思想を基礎に、一方で、解体・廃棄される素材の再利用のための研究・リサーチ等を進め、解体・廃棄材も含め次の世代の資源となる世界の建築の実現に向けた取り組みを進めていきたいと考えています。自身の掲げるミッションを遂行するため、やりたいこと、やるべきことを実践できる手応え、やりがいを、日建設計というフィールドで実感しています。

入社して感じたこと

入社して驚いたのが、「人」に関することです。組織として当然の規則がある中で、2,000名以上の社員が、各々のスタイルによって主体的に、ある意味で自由に取り組み、様々なプロジェクトが着実に進められています。各分野のプロフェッショナルが社内にいる、その多様性にも驚きました。働き方の自由度があり、個性が尊重される組織と感じています。こうした顔の見える文化そのものが、日建設計の強みといえるかと思います。

OFFの日の私

カフェにこもって執筆作業や調べものをして週末が終わることが多いですね。ただそれでは不健康なので、土日のいずれかは近所の公園等でランニングや簡単な筋トレをしています。また月に一度程度は旅行します。人間の感覚を取り戻し(笑)リフレッシュしています。

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