INTERVIEW

#11

美しく強い建物にこだわる
優しい兄さん的存在の構造設計者

松本 隼

HAYATO MATSUMOTO

エンジニアリング部門 構造設計グループ
2022年 新卒入社
創造理工学研究科 建築学専攻 修了

私が日建設計を選んだ理由

私は進路選択の際、「構造設計者となって構造デザインを仕事にする」という明確な目標がありました。日建設計でのアルバイト経験から、先輩社員の方々がコミュニケーションを大切にして設計業務に臨む姿を間近で感じることができました。技術に対して厳しく、人に対して優しく前向きな環境に身を置いて、構造設計者を目指そうと思い入社を決意しました。

構造設計に求められる「用・強・美」
自ら志願した「シェル構造」制振研究

私の従事する構造設計という仕事は、「用・強・美」のバランス感覚が大事です。「用」は、クライアントが求める要求性能を聞き出し、時には一緒に決めていくこと、そして予算内に収める提案を行うことです。「強」は、地震力をはじめとする想定される外力に対して安全な設計をし、かつ、建物の持つ力学的特性を把握し、床振動・風による振動に対して不快感のない設計をすること。そして「美」は、意匠設計者とともにクライアントのみならず社会に対して受け入れられる建築デザインとすることを指します。構造設計には、これらをバランスよく提案することが求められています。そのため日頃から、社内・クライアント・メーカー・施工者・大学等の社外の専門家との積極的な対話を心がけています。これらの対話は、建物を設計する際に極めて有効なものとなっています。また、設計だけでなく社内の研究開発にも従事しています。それは、学生時代から興味のあった「シェル構造(ラチスや板で構成される曲面架構)」の制振技術の研究で、自ら志願しました。今後、スタジアムをはじめとした空間構造の設計で、開発した技術を採用することを目標に日々奮闘しています。

構造図を通じて会話し
改善していく中にある成長の実感

入社2年目では建物の設計・図面作成・計算書の一連の設計フローを経験させていただきました。その中で常々感じたことは、設計者としての成果物はドキュメントであるということです。仕様書、要領図、構造図、構造計算書、評定書などの設計図書で、いずれも重要な契約書の一部です。中でも一枚一枚図面を仕上げていく業務が最も設計業務に携わっている実感ができ充実した時間でした。構造設計者は主に構造図をまとめます。構造図は、建物にどう力を流して要求された構造性能を満たそうとしているのかが顕になるものです。実際に図面そのものを作成していく過程は地味かもしれませんが、構造図にはその線1本1本に背景で検討した力学的根拠、そして意匠・設備の設計者と時間をかけて協議し調整してきた軌跡が詰まっています。経験ある複数の上司に施工性にも問題がないか等もチェックをしていただきました。図面を通じて会話をし、改善していく中で少しずつ設計者として成長している実感があります。

既存ストック活用の取り組みと
ヘルスモニタリングサービスの提供

時代の流れをタイムリーに反映したプロジェクトが多いのが日建設計の特徴であると思います。私が関わっているものの一つに「既存ストック活用」があります。「既存ストック活用」は重要文化財保護の改修とは異なり、従前用途で使い続けることが目的。カーボン・ニュートラルの観点から、耐震診断の末に改修して今後も利用できると判断された建築は、積極的に残していくべきと考えています。また、最近は既存建物に対して「NSmos」というヘルスモニタリングの導入にも関わっています。これは、地震後の建物の健全性や損傷の度合いを定量的に判定するサービス。設計だけでなくシステムの面からも「既存ストック活用」に貢献できるように努力しています。「既存ストック活用」に関する業務に携わる中で、より一層、構造設計者としての本質的な洞察力が求められていると感じています。

学生時代の私

自分で立案・制作することがもとから好きで、学生時代には、カリキュラム外のコンペやワークショップに多く挑戦していました。学部4年次にはフラフープをテンセグリティ構造で浮遊させた作品を、修士2年次には神宮の境内にて、分解され土へと再生する過程の木を使った、「材料費・廃棄物ほぼ0」の作品を設計・製作しました。

OFFの日の私

休日は家族・友人と過ごす以外に会社のクラブ活動に参加しています。日建設計にはいくつかのクラブがあり、経験・未経験関係なく社員は自由に参加することができます。私は野球部に参加していて同じ職場の仲間と汗を流してリフレッシュしています。部活以外にも、部内の人とBBQを楽しむなど、社員同士は本当に仲がいいです。

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