INTERVIEW

#12

建築物の安全を第一に心がける
成長意欲がとまらない探究者

小林 和子

KAZUKO KOBAYASHI

エンジニアリング部門 構造設計グループ
2018年 キャリア採用入社
総合理工学研究科 環境理工学専攻 修了

私が日建設計を選んだ理由

大学院卒業後、13年間アトリエ系設計事務所で構造設計に携わりました。これまでとは違う環境で、仕事にチャレンジしたいとの想いを抱き、公共建築からオフィスビルまで幅広いプロジェクトを手がけ、大学との共同研究などアカデミックな分野にも意欲的な日建設計に魅力を感じ、志望しました。

構造設計を担う一員として
安全性を最優先に考える

構造設計者の主な役割は、意匠設計者の設計図に基づいてベストな構造種別・架構形式や、構造躯体の合理的な配置を過去のエビデンス等を参照しながら決めていくことです。私が現在携わっている超高層ビルの案件は、第三者の専門家による構造評定が必要で「自分の今後に大きなプラスになる」と思い上司に直訴してアサインしてもらいました。構造設計者として長らくキャリアを積んできましたが、これまでに経験したことのないタイプの案件なので毎日が驚きと勉強の連続です。過去の経験をうまく取り入れながら、安全性が高く、かつ他のどんな超高層ビルにも既視感のない新しい建築を作りたいという一心で仕事に取り組んでいます。

現場では調整役として全体を俯瞰し
状況に応じた合理的な選択をする

以前、大学の新キャンパス建築プロジェクトに携わったことがあります。建設地一帯が特殊鋼の製造で発展したメーカーと関わりの深い地域であるという珍しい案件で、意匠設計者は「存在感のあるキャンパスにしたい」と非常に意気込んでいました。たくさんのスケッチを描いては構造設計者の私たちと打ち合わせを重ねる毎日。私もその熱意に応えたいと思い設計を進めていましたが、一方で、建物の安全性を左右する立場である構造設計者として、フラットな思考でいるようにも心がけていました。設計・施工期間を含めた各種のリソースには限りがあるので、現状を把握しながら合理的な選択をする必要があります。施主の要望、施工者の意見、意匠設計者の熱意に応えながら、十分に安全性を担保することは一筋縄ではいきませんでしたが、クライアントの期待に見合った或いはそれを超える形に着地させることができ、大きな達成感に包まれました。

構造の専門家の視点を生かした
カーボンニュートラルへの貢献

現在、構造設計グループの中で業務とは別に、構造体に関する研究会が盛んに行われています。鉄骨研究会やRC研究会、木質構造研究会など様々なものがありますが、すべての研究会を通じて大きなテーマの一つになっているのがカーボンニュートラルです。鉄筋コンクリート造の建築で必須のセメントは、それを作る過程で非常に多くのCO2を排出します。そのためRC研究会では、いかにしてCO2の排出が少ないセメントを、安全性を担保した上で構造躯体に用いるかについてディスカッションが活発になってきています。今後、建築業界全体でのカーボンニュートラルへの取り組みが加速していく中で、解決すべき課題も今以上に明確になっていくでしょう。私たち構造設計者がそうした課題の解決にどうアプローチできるかについて、これからも常に模索し実行に移していきたいと思っています。

入社して感じたこと

社内全体に「みんなで共に成長していこう」という空気感があります。そのため一人ひとりが知識や技術をオープンにしていて、お互いが持つ能力に敬意を払って仕事をしています。初めて携わった超高層ビルの案件でも、多くの先輩方がノウハウを共有してくださいました。

OFFの日の私

日建設計に入社後、夫の勧めでテニススクールに通い始め、目下コートを借りては仲間と練習に励んでいます。また最近は月に一回程、千葉の九十九里でコーヒーを焙煎する知人を訪ね、初めて聞くような産地の個性的な味と香りの豆を調達しては、その多様さと奥深さ、それを作り出す職人魂を実感しています。

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