INTERVIEW

#14

社会環境デザインの川上から川下まで
まちを豊かにする屋外空間づくりのパートナー

仁井谷 健

KEN NIITANI

都市部門 都市デザイングループ
2019年 キャリア採用入社
生命環境科学研究科 環境科学専攻 修了

私が日建設計を選んだ理由

前職では都市デザインや都市開発のコンサルティングをはじめ、都市にかかわる多岐なプロジェクトを幅広く担当していました。業務範囲が非常に広範だったため、私が一番こだわりたい屋外空間のものづくりレベルのデザインまでは担当しきれないもどかしさもあり転職を決意。日本のランドスケープデザインをリードする日建設計への入社を決めました。

1分の1スケールの空間づくりを追求し
空間の魅力や快適性を最大限引き出す

ランドスケープの設計担当として、空間をより心地よく魅力的にするために、様々なプロジェクトの設計段階から現場段階まで一気通貫で取り組んでいます。その中で、樹木の枝ぶりや端部のディテールといった1分の1スケールまで、意図が行き届くようデザインしています。デザインしたものが実際にできあがるまでは、建築や設備との様々な調整の連続で、なかなか思惑通りに事が進まないですが、その都度、細部まで考え抜かれたデザインで応えつづける粘り強さも求められます。こうした細部のデザインの積み重ねが、最後にできあがる空間のクオリティとして跳ね返ってくる、そのプロセス全体にものづくりの醍醐味を感じています。またデザインするにあたって、敷地周辺の地域特性や、歴史といった過去とのつながり、生態系、地球環境のあり方にまで思考を深めることも重要です。クライアントやユーザー、地域に暮らす人たちのアクティビティや、竣工後に重ねていく時間にまでデザインの射程を広げていきながら、その場所にとっての最適解に近づけていくことにチャレンジしています。

都市開発業務の上流工程の経験を
ランドスケープデザインにも応用

ランドスケープデザインに軸足を置くために日建設計に入社しましたが、前職での開発計画の構想段階や都市計画段階といった上流工程を数多く担当してきた経験は、現在の仕事でも役立っています。日本国内の建築プロジェクトでは、始めからまっさらな敷地があるケースはごく稀で、その多くは既成の市街地のなかで、どのようにプロジェクトを進めていくかを企図することからスタートします。行政や土地所有者、地域住民の方など、様々な立場の関係者の思いが交差する中で、それらをすり合わせていき“落としどころ”を見出すこと。そして時間がかかったとしても、着実にプロジェクトを進めていくプロセスが都市開発関連業務において不可欠です。そういったプロセスメイクの全体像や、それらに関する共通言語を理解し、ランドスケープアーキテクトの立場から解決策を提示できることは、前職での経験があるからこその強みであると感じています。

市民生活の目線に立った
社会環境デザインを追求する

日建設計は「社会環境デザイン」を標榜していますが、その言葉だけを見ると都市レベルの大規模なことのように思えます。一方で、ここでいう「社会」を、変化のある毎日を楽しむ一人ひとりの暮らしの集合と考えると「社会環境デザイン」は人々の暮らしと密接に関わっているとも捉えられます。例えば、その街・その場所にどんな椅子を置くとよいのか、どんな植物が似合うのかなどの、多くの人が気づかない小さな判断の積み重ねが、その場所の価値を大きく左右するからです。都市・社会の未来を描くだけでない、市民生活に近い空間の価値向上を図ることも、社会環境デザインのひとつの到達点だと考えています。ひとりのランドスケープアーキテクトとして、市民生活目線で心地のよい空間づくりにトライし続けていきたいと考えています。

入社して感じたこと

組織の変化のスピードが非常に早く「マンネリ化して水が淀む前に迅速な変化を」という会社の意思を感じます。コロナ禍の初期段階において、在宅勤務やリモートワークの枠組みを超えて、社員が働く場所の選択に自由度をもたせるハード・ソフト面での環境整備が驚くような早さで取り入れられました。コーポレート部門が労働環境の整備にパッションを持って取り組んでいる証だと思います。

OFFの日の私

小さな子どもがふたりいるので、仕事と家庭の両立であっという間に時が過ぎていきます。子どもと散歩をしているときに、つい職業病で剪定の良し悪しや、どういった植物が植えられているのかに目がいくのですが、子どもの「あの木の名前はなーに?」にかなり真面目に答えてしまっています。最近、子どもが「この木はセンテイがイマイチだね」と口にして驚いたのですが、多分私のせいですね(笑)。

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